国の学校支援事業を申請 市教委が方針転換


 文部科学省の「学校支援地域本部事業」導入を道内180市町村で唯一断っていた小樽市教育委員会が、このほど、「当初考えていたデメリットが緩和された」との理由で方針転換し、2月10日(火)に後志教育局に導入申請を行ったことが分かった。
 同事業は、文科省が、全国の1,800市町村を対象に、地域の教育力の低下や教員一人一人の勤務負担の増加に対応するため、2008(平成20)年度から実施している。退職教員やPTA経験者などを「地域コーディネーター」として有償で雇い、地域本部を設置。ボランティアを募集して、学校運営を支援する。 こちら
 年間、1市町村あたり上限200万円の補助金を出すことにしており、初年度の予算規模は総額50億円。全国の市町村に導入を求めたが、「3年間の限定的なもので、国の事業でなくなると、3年後に負担がかかる」などの理由で、申請する市町村は47.5%(平成20年12月2日現在)と50%未満にとどまった。
 全国的に導入しない学校が多い中、道内では180ある市町村の中で、小樽市を除く179市町村が申請し、99.4%の申請率となっていた。
 「道教委からの厳しい指導があり、手を挙げる市町村が多かった。道教委に指導されてやるものではないのに、道は180市町村全部でやってくれと言って来た。既に小樽では独自にボランティアの人たちが地域活動を行っており、国の事業を導入して3ヵ年だけ補助されても、それ以降の金を出すほど市の体力はないし、既存のネットワークが崩れる可能性もある。3年ではしごを外されるのは、たまったもんじゃない」(中村浩教育部次長)と、小樽市は申請しなかった。
 昨年12月の市議会定例会でも、「初年度だけでなく次年度でも新たに申請でき、コーディネーターをやるという人が現れればやるのか」との質問に対し、市教委は、「申請しても、コーディネーターをやる人がいなくて、この先の負担になるようならやらない」と、一貫して導入に消極的な姿勢を示していた。
 しかし、色内小学校で地域活動を行う主婦から、コーディネーターを引き受けるとの話があったことや、次年度からでも申請可能になったこと、モデル事業期間の3年後に補助事業化される可能性があるなどを理由に、市教委は、「当初考えていたデメリットが緩和された」と方針転換。2009(平成21)年度からの導入を決め、2月10日(火)、後志教育局に、市内の色内・手宮地区の小学校で事業を実施することを申請した。
 今後、道教委と協議をしながら、実行委員会・事業本部を地域内の小学校に設置し、これまで各校で実施してきたボランティアによる読み聞かせや書道、スキー学習などを連携して行う予定となっている。
 「この地域での活動内容がシステム化されて、先生の負担が減ればOKだと思う。地域内でネットワークを作り、この事業導入による補助金を有効活用するようにしてもらいたい」(川田利幸教育部次長)と期待する。
 国の事業の導入によって、これまで以上の地域支援がなされることが期待されているが、「もしかすると、これまでのものが壊れてしまうのではないか」、「PTAがなくなってしまうのではないか」との不安の声も上がっており、今後の運営方針に注目が集まることになる。