「おたるにしん祭り」 鰊焼き味わう

 かつて鰊漁で栄えた市内祝津地区で、5月23日(土)・24日(日)9:30~16:00の2日間、「おたる祝津にしん祭り」(同実行委員会主催)が開催されている。
初日の23日(土)は、生憎の雨模様となったが、市内外から多くの人が会場の水族館第1駐車場(祝津3)と祝津前浜に足を運んだ。
大半の来場者たちのお目当ては、メインの鰊焼き。これは、2日間で1,000尾の鰊を無料提供するもので、1日500尾ずつが早い者勝ちでゲット出来るイベント。
無料提供は11:30~14:00だが、11:00から配布となる整理券が必要で、雨がパラパラと降る中、家族連れや夫婦、若いカップルなどは、配布の約1時間前から傘をさしながら長蛇の列を作っていた。

 このメインの鰊焼きのほか、祝津前浜では、今春生まれたばかりの鰊の稚魚約500尾の放流式が行われた。関係者や同地区の祝津小学校の児童約20人が参加し、「元気に育てよ」、「また帰って来いよ」と声をかけながら、約10cm程度の小さな稚魚を大海原へ次々に放した。
祝津小4年の川戸萌々果ちゃん(9)は、「今年の2月から3月まで鰊が沢山やってきて、数えきれないほどの卵を産んだと聞いています。これから私たちがする鰊の放流も、きっと今年たくさんの鰊がやって来た理由のひとつだと思います。今は赤ちゃん鰊ですが、3年後には大きな大人の鰊になって、この海に戻ってきて欲しいと思います」と作文を読み上げた。
この後、前浜では、来場者たちが、長蛇の列を作ってゲットした鰊の網焼きを行った。煙をモクモクとあげて両面の皮に焦げ目をつけて、焼きたての鰊を食べた。「美味しいわ」、「炭火で焼くからまた美味しさもアップしている」、「札幌からわざわざ来たかいがあった」と喜んでいた。中にはビールを片手に鰊を味わう人の姿も。
また、この2日間、「祝津鰊番屋めぐりツアー」も行われている。初日は、20人を超える参加者があり、小樽市指定歴史的建造物の青山家別邸をはじめ、茨木家住宅、茨木家出張番屋など10棟を巡った。この中で、普段は見ることが出来ない茨木家出張番屋の内部も初公開され、参加者たちの目を楽しませていた。
祝津地区の活性化をめざす「祝津たなげ会」のメンバーは、「この茨木家出張番屋は、倒壊しそうなほど老朽しているが、たなげ会でなんとか保存し、活用策を検討したいと思っている」と話していた。
「おたる祝津にしん祭り」は、24日(日)9:30~16:00もある。19:00~21:00には番屋や倉庫のライトアップも行われる。
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