「病院局」に早くも暗雲!4月も収益・患者数大幅減


 市立小樽病院と第二病院を統括運営する病院局(並木昭義局長)が4月からスタートしているが、この病院局のスタートに暗雲を投げかける収益・患者数の数字の急減が、4月の統計から判明した。
 特に、収益・患者数とも大幅な減少となっているのは小樽病院だ。4月の小樽病院の入院収益は、1億8,662万7,000円で、前年差で-6,769万7,000円と26.6%の大幅な減少。外来収益も、1億2,854万1,000円で、前年差で-2,171万7,000円の14.5%減となった。
 患者数は、入院が4,797人で、前年差-1,571人の24.7%の大幅な減少。外来が9,015人で、前年差-2,414人の21.1%の減となった。
 6月から名称を「小樽市立脳・循環器・こころの医療センター」に変えた第二病院の収益は、入院2億142万8,000円の前年差+893万1,000円の4.6%増、外来9,195万6,000円の+34万5,000円の0.4%増となった。患者数は、入院5,729人の+79人の1.4%増、外来5,109人の-609人の10.7%減。
 両病院合計では、収益は「医療センター」が黒字を計上したものの、樽病の赤字は大きく、入院収益3億8,805万5,000円の前年差-5,876万6,000円の13.2%減、外来収益2億2,049万7,000円の-2,137万2,000円の8.8%減となった。
 これは、昨年9月で樽病の呼吸器内科の医師2名が退職し、診療休止に追い込まれたことが引き続いていることが、4月の無残な結果になった。
 昨年度の4月から9月までは、収益の減少幅は前年差一ケタ台のパーセンテージで推移していたが、10月からは診療休止の影響で、10~30の大幅な減少幅を記録している。4月の収益もこの数字を引きずり、入院で26.6%、外来で14.5%と大幅減となった。
 市の病院事業は、4月から地方公営企業法の全部適用となり、病院局としてスタートしている。市の2009(平成21)年度予算は、呼吸器内科を補充出来ると見て、収益・患者数ともプラス数字と弾いていた。これが、病院局がスタートした年度最初の月から、頓挫する格好となった。
 2009(平成21)年度予算の入院収益では、患者数が2008(平成20)年度と比べて1日平均18人の増とし、53億8,500万円の2億6,200万円の収益増。外来では、1日平均20人の増で、27億9,300万円の1億1,100万円の収益増を見込み、合計で3億7,300万円増の81億1,780万円としている。
 しかし、このまま呼吸器内科の診療科休止が続けば、収益も患者数も増える見込みはなく、マイナス数字が続くことになる。
 4月から病院局としてスタートした市の病院事業が、年度最初の月から収益・患者数とも落ち込んだことが、病院会計に大きな暗雲を投げかけている。医師の補充により診療休止の呼吸器内科を復活させることが緊急の課題となっているが、並木局長の就任から2ヶ月経過したが、まだ、復活の見込みは立っていない。
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