「総じて停滞している」 しりべし経済レポート


 財務省北海道財務局小樽出張所(港町5)は、11月2日(月)、「しりべし経済レポートVol.53」(平成21年11月発行)を発表した。
 後志管内経済概要は、「総じて停滞している」としている。
 消費では、主要小売店の売上高(6月~8月)が、各月とも前年を下回った。地域経済の低迷から消費者の節約志向は続き、政府のエコポイント政策によって一部で家電製品の売上げが好調であったものの、飲食料品や衣料品などについては依然動きが弱く、全体では総じて低調となっているとした。
 また、新車登録台数は、エコカー減税等の支援策が浸透し、総体で前年を上回るなど持ち直しの動きがみられるという。
 観光では、団体旅行の需要が縮小し、主要観光施設の入込客数が前年を下回った。円高で、台湾や韓国からの観光客が減少傾向にあるとまとめた。
 住宅建設では、前年のアパート建設に伴う反動減や、住宅建設需要の低迷などから、総体で前年を大きく下回った。一方で、公共工事は、国の補正予算を財源とした工事が増加したことから、総体で前年を上回った。
 漁業では、イカはほぼ前年並。主力のホッケのほか、ウニ、スケトウダラなどが低調で、水揚量、水揚金額とも総体で前年を大きく下回った。生産では、ミガキニシンなどは例年に比べ弱含みの状況で、ウニ加工も漁獲量が減少した影響で例年よりも低調となった。
 雇用動向では、月間有効求人倍率が、各月とも前年同月を下回った。しかし、新規求人数は、北後志地区(小樽市など)で、宿泊・飲食サービス業、医療・福祉業などの増加によって総体で前年を上回ったとしている。
 企業倒産については、件数が前年を下回り、負債総額も前年を大きく下回った。原因は、「販売不振」、「既往のシワ寄せ」、「放漫経営」、「他社倒産の余波」が各1件となっている。
 しりべし経済レポート
 北海道財務局小樽出張所