「貯金ゼロ」 6年連続の"繰上充用"


rinjikai.JPG 小樽市(山田勝麿市長)は、5月17日(月)16:30から記者会見を開き、24日(月)に開会される小樽市議会第1回臨時会に提出する議案を発表した。
 議案は、2009(平成21)年度の歳入歳出の辻褄を合わせるため、2010(平成22)年度予算から雑入として”繰上充用”する一般会計と国民健康保険事業特別会計の補正予算2件と、条例改正案3件、専決処分報告1件。
 市は、2004(平成16)年度から、この”繰上充用”を毎年度行っており、今年で6年連続となった。
 ”繰上充用”は、年度末の赤字を、次年度の歳入歳出予算から穴埋めする非常手段。通常は、普通預金(財政調整基金・減債基金)や交付税などからの穴埋めとなるが、市の場合は、この普通預金が2004(平成16)年度からスッカラカンのため、入る当てのない金を雑入として計上する「小樽方式」で辻褄を合わせている。「貯金がゼロですから」(貞原正夫財政部長)。
 2009(平成21)年度一般会計の決算見込みでは、5億300万円の黒字が確保出来るとしており、累積赤字6億5,900万円だったものが、1億5,600万円に圧縮されることから、今回、この分を”繰上充用”する。国保の”繰上充用”は、2億4,400万円。
 この日の会見で、一般会計のほか、各企業会計の決算見込みが明らかにされた。病院事業会計は、14億5,600万円だった不良債務が11億5,700万円に減少した。これは、一般会計からの繰出金で賄われており、「一般会計からの繰出で減っているが、改革プランの計画は厳しい数値」(山崎範夫総務部長)。
 山田勝麿市長は、各会派にこの議案説明を行ったが、「22年度で計画通り3億7,000万円の黒字を確保することが出来れば、21年度決算で1億5,600万円に赤字が減ったので、22年度中の累積赤字解消も視野に入ってきた」と述べたという。
 表向きは、累積赤字が消えているが、実際は、企業会計や基金からの借り入れがあってこそのもので、ただの借金の先延ばしにしか過ぎない。
 2009(平成21)年度末では、他会計から24億円、基金から15億円、土地開発基金から5億円の計44億円の借金が残っている。「緊急避難的に取っている措置」(貞原財政部長)としており、本当の財政再建には程遠い。
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