市議会第3回定例会9/8から 他会計からの借金32億円に


 小樽市(山田勝麿市長)の総務部長・財政部長は、8月31日(火)15:00から記者会見を開き、9月8日(水)から開会する小樽市議会第3回定例会の提出議案の概要を説明した。
 同定例会には、2010(平成22)年度小樽市一般会計補正予算などの予算議案14件、2009(平成21)年度の一般会計・特別会計・企業会計などの決算議案17件、職員給与条例などの条例改正案7件の議案計39件と、議会の承認を求める専決処分報告1件。市職員による車両衝突事故などの専決処分が5件提出される。
 2010(平成22)年度の一般会計と産業廃棄物処分事業特別会計の補正予算では、8月7日(土)・8日(日)と23日(月)・24日(火)の大雨による災害復旧予算を1億220万円計上する。市道や河川の清掃、桃内の廃棄物最終処分場やおたる自然の村、小学校、望洋サッカー・ラグビー場などの法面(のりめん・人工斜面)崩れの応急対策約60件分を行うため、定例会開会日での先議を求める。現在、23日(月)・24日(火)の被害の積算が出来ておらず、早急にまとめて予算を追加提案することにしている。
 条例案では、市長・副市長・教育長を除く全職員の12月分の期末手当の独自削減0.15ヶ月分を回復し、係長以上の管理職の役職加算(5%~20%) の凍結を解除するため、職員給与条例の改正案を提出する。これにより、一般会計や企業会計で約1億6,000万円の歳出増となる。 関連記事1
 これらによる補正額は、一般会計6億2,448万8,000円、水産物・国保・老人保健などの特別会計3億1,378万4,000円、企業会計9,285万6,000円の計10億3,112万8,000円となり、市の全会計予算は1,137億1,975万6,000円となる。前年度同期1,208億 9,442万6,000円と比べて-5.9%の伸び率。
 2009(平成21)年度決算では、一般会計3,072万8,000円、国民健康保険事業特別会計2億911万8,000円、病院事業会計11億6,303万8,000円の赤字となった。
 一般会計の赤字は、昨年度の6億5,948万円から3,072万8,000円に圧縮したが、2009(平成21)年度末で、特定目的基金から15億円、水道・下水道・産業廃棄物の企業会計から24億500万円の借入がある。2010(平成22)年度では、他会計からの借入が32億3,800万円に膨らむ見込みだ。表向きの累積赤字は消えてはいるが、他会計からの借入れや基金からの借入れが解消しなければ、財政健全化が出来たとは言えない。
 「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」に関する健全化判断比率では、実質赤字比率・連結実質赤字比率はともになし、実質公債費比率15.5%(早期健全化基準25%・財政再生基準35%)、将来負担比率118.8%(同350%・財政再生基準の規定なし)、資金不足比率13.3%(経営健全化基準 20%)となった。
 市議会第3回定例会は、9月8日(水)に開会し、2010(平成22)年度の各会計の補正予算や各改正条例案などの審議が行われる。2009(平成21)年度の決算は、定例会閉会後の決算特別委員会で審議が行われ、第4回定例会(12月)で議決される。
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