クルーズ客船入港18隻 過去最高を更新


cruise.jpg 2011(平成23)年の小樽港に入港するクルーズ客船が、過去最高となった昨年の16隻よりも2隻多い18隻になる見込みとなった。
 小樽港の入港隻数は、2006(平成18)年度の7,081隻(係留施設使用料:1億8,740万1,251円)、2007(平成19)年度の6,254 隻(同:1億8,183万5,988円)、2008(平成20)年度の5,778隻(同:1億7,384万5,088円)、2009(平成21)年度の 4,941隻(同:1億6,080万3,429円)と、年々減少している。
 この中で、クルーズ客船は、毎年、入港隻数を増やしている。今年は、昨年の16隻よりも2隻多い18隻の入港が予定されており、過去最高の入港隻数を更新。5月27日(金)のレジェンド・オブ・ザシーズを皮切りに、ブレーメン、オリオンⅡ、ぱしふぃっくびいなす、ふじ丸、飛鳥Ⅱ、にっぽん丸が次々に入港する。
 ブレーメンとオリオンⅡの2隻は、小樽に初入港。ブレーメン(6,752トン)は、極地でも、秘境でも、エンジン付きゴムボートを使って、小旅行することが目的。三菱重工で建造された「フロンティア・スピリット」がドイツに売られ、「ブレーメン」として就航している。今回、上海から長崎、広島、大阪、鳥羽、清水、横浜を巡り、6月11日(土)に小樽に寄港する。客船の詳細
 オリオンⅡ(4,077トン)は、 洗練されたデザインの5つ星客船。6月18日(土)に小樽発でコルサコフ、千鳥列島、ペトロハバロフスクなどを巡る。7月7日(木)には、コルサコフから小樽へ立ち寄る予定。客船の詳細
 このほか、昨年は1回だけの入港だったぱしふぃっくびいなすが、小樽港を基点とした利尻・礼文を巡るツアーで5回寄港することになった。7月21日(木)には、ふじ丸と飛鳥Ⅱの豪華客船2隻が並んで停泊し、港を彩る。
 しかし、客船が停泊する第3号ふ頭はボロボロで、昭和時代に建てられた古い倉庫が建ち並んでいる。小樽市産業港湾部港湾室では、「小樽に寄港する客船は半日の滞在だが、この間、乗客は、市内観光をはじめ富良野や旭川の日帰りツアーに行ける。道央のクルーズ拠点にふさわしい港」とし、毎年度、予算計上し、ふ頭の整備を少しずつ進めている。今年度は、利用高度化事業として、合同庁舎周辺整備や岸壁改良などで1億8,300万円の予算を計上している。
 また、今年度は、「小樽経済への波及効果があればハードに投資しやすくなる」として、クルーズ客船の乗客による市内の経済効果を図る調査を実施する予定だ。
 かつての商業港湾都市・小樽は、今、クルーズ客船が道内一訪れる港となり、新たな発想で大胆な再整備が必要とされているものの、「商業の倉庫を集約して第3号ふ頭を公園にしたり、制限区域の調整などをすると何十億単位が必要になる」という。
 小樽港は、国直轄で新規事業を実施する重点港湾の指定から外された。このため、今度は、日本海側拠点港の対象として名前が上がったことから立候補する予定だ。しかし、「選定されたときに何をしてくれるのか分からない」(港湾室)としている。
 北海道各港への寄港予定 (2011年2月25日現在)