雄冬岬が蜃気楼に 2011初の「高島おばけ」観測


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 石狩湾の上位蜃気楼の調査研究を行っている市総合博物館(手宮1)は、5月12日(木)、今年初めての「高島おばけ」を観測したことを報告した。
 小樽沖の石狩湾越しに観測される上位蜃気楼の「高島おばけ」は、珍しい現象で、春の訪れを告げる風物詩ともなっている。毎年4月から8月にかけて10回程度、上方に反転像が見える上位蜃気楼が観測されている。全国でも珍しく、国内で観測出来るのは、富山湾やオホーツク海、苫小牧など6ヶ所。
 小樽では、上位蜃気楼のことを「高島おばけ」と呼ぶ。1846(弘化3)年に、北方探検家の松浦武四郎が、小樽の海上で「蜃気楼」を見たと日誌に記しており、当時の人々は、小樽沖の蜃気楼を「高島おばけ」と呼んでいたことから、今でもこの呼び名が使われている。
 同館学芸員の大鐘卓哉さんは、「今年やっと出ました。今回特徴的なのは、いつもは石狩湾南部に出るのですが、北部に出ました。北防波堤から見ると、石狩湾のタンクより北側で、 厚田や雄冬岬が蜃気楼になっていました。なんでかはこれから調べます。蜃気楼の層が厚かったため、大きく変化してる様子を見ることが出来ました。 例年だと4月中に初観測出来るのですが、4月が寒かったから遅い観測となった」と話していた。(写真提供:総合博物館)
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