パー券事件で市長・副市長を追及 市議会で緊急質問



rinjikai2-1.jpg 小樽市議会第1回臨時会2日目が、5月24日(火)13:00から本会議場で開かれた。市の幹部職員11名が略式起訴・公民権停止命令を受ける事態となった政治資金規正法違反事件について、市議会5会派の代表者が緊急質問を行った。
 今回の事件に対する市民の関心の強さを見せつけ、普段はガラガラの本会議場傍聴席には大勢の市民が埋めかけた。報道機関もテレビ5社がカメラを並べ、質疑の推移を見守った。
 緊急質問には、市議会を構成する5会派が立った。民主市民連合・林下孤芳議員、一新小樽・成田祐樹議員、自民党・山田雅敏議員、公明党・高橋克幸議員、共産党・北野義紀議員の順で行われた。
rinjikai2-2.jpg 今回の政治資金規正法違反事件に関して、その経緯や調査委員会、職員の処分、再発防止策などと、副市長の関与についてなどに質疑が集中した。
 無所属会派「一新小樽」の成田祐樹議員は、「市長は、後援会のことで自分は関与していないと繰り返し述べている。後援会を掌握していなかった市長では、市役所の管理能力はない。外部調査委員会を設置すると委員への費用が発生するが、市長の問題を調査する委員会に市民の血税を使うのか。費用はどのように調達するのか。山田厚副市長は、4年前にパーティー券売買について指摘されたにも関わらず、食い止めることが出来なかった。これが今日の市政混乱を招いている。今月末で任期切れとなるが、責任を取って退職金を辞退するべきだ」と追及した。
 中松義治市長は、「組織をまとめているのは後援会長。市長としての管理能力とは別。外部調査委員会の費用は公費で負担する」と淡々と述べた。
 山田厚副市長は、「退職金の辞退はしない。(パーティー券を販売して指摘を受けて回収したことから)4年の経過で失念しており、責任を痛感し大変重く受け止めているが、辞退は考えていない」と答弁した。
 共産党の北野義紀議員は、「今回の事件は、新谷、山田市政の24年間の5者の相乗り市政が原因。何か不都合があっても与党が守ってくれるという理事者側の甘い考え、気の緩みが不正行為につながった。市長だけに奉仕するのは間違い。この間違った立場を変えない限り、この街は変わらない。今の市役所は、市民に役立つのではなく、市長のために役に立つ所だ」と、市長を推した自民・公明・民主・連合小樽・商工会議所の5者相乗り体制を批判した。
 これに対し、中松市長は、「推薦頂いた各団体はそれぞれの立場で一致しない案件もある。ただ住民福祉の充実の達成のため、各団体から推薦を頂いた」とした。
 民主市民連合の林下孤芳議員は「5者相乗りが今回の事件につながったとの根拠のない批判があり、受入れ難いものだ。市長は辞めるべきとの論調が聞こえる。市長は厳正に処分するとしたが、どのような処分を考えているのか」と質した。
rinjikai2-3.jpg 市長は、「事実関係が調査委員会で一定程度明らかになった段階で、規準や他都市の事例などを見て判断したい」と答えた。
 公明党の高橋克幸議員は、「山田厚副市長名で、職員が地方公務員法や公職選挙法に違反しないようにと通達を役所内で出したと聞いたが、今回の事件となった。通達は意味のないものとなった」と指摘。
 山田副市長は、「全課メールという形でしている。地方公務員法と公職選挙法で地位利用について禁止されているとはしたが、政治資金規正法は記載していなかった。慣例的に出しているが、今回のようなものは記載されていない。メールを全職員が見ているか把握は難しい。メールは身になるような形で努力しなければいけない」と答えた。
 自民党の山田雅敏議員は、「このたびの当選おめでとうございますと言いたいところだが、後味の悪い形となり、人事の動向に注視している」と述べた。
 山田副市長に対する自身のパー券売買での記憶の曖昧さからの答弁には、傍聴席からたびたび失笑が起きた。「こんな答弁で副市長が務まるのか」との声が上がっていた。
 中松市長は数日中に副市長人事を発表することにしているが、さてどうなるか。市民の関心が寄せられている。
 ”中松丸”は、ようやく初議会を迎えたのに、散々な結果となり、その前途は依然として五里霧中だ。