新病院工事費137億5,000万円 12月議会に関連予算


 小樽市(中松義冶市長が進める、新市立病院の概算工事費が137億5,000万円となったことが分かった。12月1日(木)開会予定の小樽市議会第4回定例会に、新市立病院のための量徳小解体費や建設工事費・外構工事費など、93億9,000万円を複数年で歳出することが、21日(月)に明らかになった。
 市は、2010(平成22)年度に基本設計業務を終え、2011(平成23)年度には実施設計を委託。2012(平成24)年2月末には、この実施設計の完了を予定している。国の病院耐震化補助金(8億219万9,000円)を受けるためには、2011(平成23)年度中の工事着工が条件となっている。第4回定例会の補正予算案で、2012(平成24)年度から複数年度で計上するとした。
 4定補正分は、病院建設予定地内小学校解体工事(1億3,500万円)、小樽市立病院統合新築建設工事(88億4,000万円)、同新築外構工事(3億2,000万円)、同新築工事監理業務委託(7,000万円)、医療コンサルタント業務委託(2,500万円)の計93億9,000万円。 2012(平成24)年1月から2月に入札告示等の手続きを開始し、3月末の着工に間に合わせることにしている。
 今後、システム業務(4億円)、医療機器発注業務(28億円)、什器・備品発注業務(2億円)、移転業務(5,000万円)、旧市立小樽病院解体工事(4億600万円)、新築駐車場整備工事(1億8,500万円)、事務費・実施設計(2億5,004万2,000円)などを予算措置する予定。すでに済んでいる基本設計・事務費(6,895万8,000円)を含み、総事業費は137億5,000万円となった。
 新病院は、2014(平成26)年開院予定。病床数は、一般302床(オープン30床)・精神80床・結核4床・感染2床の計388床。脳・神経疾患と心・血管疾患の救急は、24時間365日対応し、がん診療連携拠点病院となる。
 小樽市は、新市立病院の統合新築では、当初は253億円の巨額豪華病院の目指していたが、財政の破綻で多くの批判の声が上がり、見直しに次ぐ見直しを余儀なくされ、結局、約200億円までに削減したが、この豪華病院の築港地区での建設の断念を迫られた。今回は、当初の計画からは、半減した規模での新病院となったが、これでもまだ137億5,000万円の巨費が必要なものとなっている。
 全国の公立病院の破綻事例の多くは、身の丈に合わぬ豪華病院の建設に由来しており、人口減少が止まらない小樽市が、背伸びして建てる新病院の巨額借金は市民の肩に重くのしかかることになり、「豪華新病院建設と小樽市が共に沈む事態も危惧されることとなった」と指摘する病院関係者も多い。
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