和洋折衷の豪邸・旧遠藤邸 無料一般公開始まる


endotei.jpg 立正佼成会小樽教会(富岡1・伊藤賀章教会長)では、毎年5月の第3日曜日に「旧遠藤邸」の一般公開を無料で実施している。今年も5月20日(日)から27日(日)の8日間、10:00から15:00まで。
 天候に左右されるが、毎年300〜400人が訪れ、初日の14:00過ぎまでに61名が見学に訪れていた。
 「旧遠藤邸」は、明治35(1902)年に建築され、海産物卸商で富を得た遠藤又兵衛の邸宅だった。小樽港を望む高台にあり、本州材を取り寄せ、大工は越後から連れてきた。旭川の神居古潭(カムイコタン)から砂利を運んだり、当時の金額で10万円をかけ、3年かがりで建てられた大豪邸。和風を基調としているが、玄関脇の応接室は八角形の洋室で、ベイウインドもあり暖炉付きで白塗りの壁が包んでいる。天井には通気口もある。門・塀には、鷹などの鬼瓦が飾られ、金色の家紋四菱が輝く。瓦屋根付きの簓子(ささらこ)塀の漆喰と板張りが美しい。
 大正2年に小樽商工会議所会頭や衆議院議員を務め、倉庫業を営んでいた実業家・山本厚三氏に3万円で売却。昭和39年には立正佼成会が購入した。昭和58年に整備工事をし、南正面棟の主要部分を残し、正面棟約3間分と西・北棟を撤去した。
 現在は、和室などを無料で、お茶会や刺し子の会に貸し出しており、瓦や石蔵の蝶番(ちょうつがい)、七宝焼きのふすまの引手なども展示している。ボランティアが塗り替えや庭の手入れなどを行い、手入れされている。

 昭和60年7月に小樽市指定歴史的建造物4号に指定され、平成7年には、小樽市第8回都市景観賞を受賞。
 高橋武館長は「遠藤又兵衛は、海産物卸で一代で富を築いた大きな商いをした人です。是非、この機会に沢山の人に見ていただきたい」と話していた。
 5月23日(水)だけは13:00からの開館となる。問合せ:0134-23-7266