斜陽都市小樽の人口 13万割れ12万人台に突入


 小樽市の人口が年々減少の一途を辿っているが、6月9日に、13万人を割り込み、ついに12万9,995人と12万人台に突入したことが分かった。これは、市の人口動態を示す住民基本台帳の速報値から判明した。
 市の人口は、1964年以降、毎年約1,400~2,200人程度の規模で減少の一途を辿っており、この流れが一向に止まらない現状が明らかになった。市人口のピークは、1964年の20万7,093人で、この48年間で、一都市規模の7万7,000人が、小樽市から流出した。
 人口の流出は、小樽経済の斜陽化と軌を一にしており、相次ぐ企業の移転などで、働き盛りの若年・壮年層の雇用機会が失われ、さらに、安い小樽の賃金や高い住居費を嫌った若年層なども札幌に転出することが大きな要因をなしている。市の人口構成は、高齢化の流れが加速している。働き盛りの15~64歳人口が減少している中で、65歳以上の高齢層が増加する逆ピラミッド型の構成となっている。
 人口の減少で、小樽で子供が生まれ育つことが望まれているが、現在、小樽市は140億円の巨費をかけ、新市立病院建設に邁進中だが、なんと、この新病院には産科や周産期医療がない欠陥病院だ。小樽では、市内最大の市立病院で子供が生み育てることができないという、考えられない事態となっているのに、市や市議会は、このことには、知らん振りで豪華病院建設に走っている。他都市では、小樽の半額で病院建設をし、夜間急病センターなども市立病院に併設しているのに、小樽では別の場所に建設している。
 止まらぬ人口の流出は、一向に戦略的で効果的な対策を立てられない無策の小樽市を見限っている側面が大きいことを知らせている。
 小樽市住民基本台帳人口年齢構成表
 小樽市:平成22年国勢調査人口等基本集計結果(確報値)