しりべし経済レポート 緩やかに持ち直しも一部に弱い動き


 財務省北海道財務局小樽出張所(久保喜幸所長)は、「しりべし経済レポートVol.66」(平成24年10月~12月)をまとめ、2月15日(金)に発表した。
 同レポートでは、しりべし管内経済概要を、「緩やかに持ち直しているものの、一部に弱い動きが見られる」とし、2期連続据え置きとした。
 消費では、家庭用品が、前回同様、アナログ放送終了に伴う駆け込み需要の反動で減少があり、一方では、11月下旬から12月にかけて気温が低下しアウターなどの衣類や飲食料品が増加し、総体で前年を上回った。
 新車登録台数では、エコカー補助金制度終了により前年比を下回る。9月に終了したため、特に10月の落ち込みが激しく、−9.4と落ち込んだ。前期−7.9で若干-幅を拡大した状況。
 主要観光施設の利用者数では、外国人観光客では、東南アジア、台湾などの定期便が好調だが、札幌圏からの日帰り客が減少し、総体で下回る。−4.7。
 住宅建設は、持ち家が前年を下回ったが、貸家が前年を上回り、総体では、全年上回った。+4.1。
 公共工事は、公共工事前払金保証請負金額でみると、公共工事予算削減により前年を−3.7下回る。
 水産加工は例年並み。生コンは順調に推移。棒鋼は大型事業の需要により堅調に推移。
 漁業は、イカ・タコが減少したことから、水揚量−16.7、水揚金額−13.9下回る。要因として、時化が多く、ホッケ・タコが獲れなかった。昨年良かったイカが早めに南下し、水揚量減少。
 貿易は、輸出は、中国向けやロシア向けの自動車部品が低調。前年比−12.0。輸入は、アメリカなどからの小麦、とうもろこしが低迷し、前年比−3.3。
 金融では、設備資金、運転資金ともに低調、前年下回る。
 雇用では、有効求人倍率は求職者数が減少し、求人数が増加、前年上回る。宿泊業、飲食サービス業が、ニセコ方面の冬場の求人が増加し、医療福祉関係は慢性的に人手不足。
 企業倒産は、件数、負債総額ともに前年を上回る。年末の企業倒産が影響。
 総括判断として、「管内は緩やかに持ち直しているものの、一部の弱い動きがみられる」と発表。
 7~9月期との比較では、消費を上方修正し、公共工事、企業倒産を下方修正している。項目別では、消費について、前期は主要小売店売上高の新車登録台数が下回り、後期も、新車登録台数が引き続き前年を下回っているが、主要小売店売上高が上がったため、こちらを上方修正した。
 下方修正した公共工事は、前期は前年比プラスとなったが、後期は再び前年を下回り下方修正した。企業倒産では、前期では件数は前年と同数、負債総額は前年を下回っていたが、年末の大型企業倒産が発生し、件数、負債総額とも前年を上回ったため下方修正。
 水産加工は平年並み。生コンは低調から順調に推移し、プラス傾向となる。観光、漁業ともマイナス幅の縮小となり、それらを踏まえて、総括判断すると、前回と同様、判断を据え置いている。先行き、円安による原油価格の上昇が考えられるが、一方で、緊急経済対策の効果が浸透、管内の大型事業の伸展、北海道横断自動車道や病院改築などがあり、また、外国人観光客の増加など、緩やかな持ち直しのトレンドが続いていくと見ていると説明した。
 しりべし経済レポート vol.66(平成25年2月発行)