いなきたビルに一斉放水 春の火災予防運動

 北海道「春の火災予防運動」が、4月20日(土)から30日(火)まで実施され、その啓発事業の一環として、19日(金)9:50から、いなきたビル(稲穂5)で、火災防御訓練(小樽市消防本部・青山光司消防長)が行われた。
0419firetraining3.jpg 訓練には、小樽市消防本部(署)・小樽市消防団(第8分団)60名、いなきたビル自衛消防隊55名(従業員と住民)が参加。指揮車、救急車、ポンプ車、ハシゴ車2台など出動車両9台で、今年2月に財団法人日本消防協会から寄贈され、8分団に配置した「消防団多機能型車両」も、初めて訓練に出動し放水訓練に加わった。
 今回、訓練実施施設となったいなきたビル(稲穂5)は、株式会社アールアイ(西信博代表取締役)所有で、鉄筋コンクリート造10階建地下1階・1棟延24207.84㎡。食料品店や書籍販売・レンタルビデオ店、コミュニティセンター、市営住宅、マンション等が入った複合商業ビル。
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 「4階機械室から火災が発生、自衛消防隊による避難誘導、初期消火等が行われたが火勢は上階へ拡大延焼の恐れがあり、建物内に利用者数名が逃げ遅れて救助を求めている」との想定で行われた。自衛消防隊が、実際に消火器を使用した初期消火訓練を行い、建物の外へ避難を誘導した。
 指揮車のサイレンと共に、大型の消防車両が現場に急行。建物内に逃げ遅れた人を6階からハシゴ車で救助し、屋上からロープを使って消防隊員2名が緊急脱出。7ヶ所からの一斉放水訓練を実施した。沿道には市民が集まり、訓練の様子を見守った。
 村木政己消防署長は、「市内中心部で、高層建築物を対象に火災訓練を行い、通報訓練では、ビル内の施設の協力を得て無事に終わった。一般市民も沿道から見物し火災予防のPRに繋がったと思う。災害対応特殊はしご付消防ポンプ車による6階からの救出、消防隊員による緊急脱出も見てもらい、明日からの火災予防週間へ向けての啓発効果が十分あったと思われる。
0419firetraining1.jpg消防団に配置された多機能型車両での消防団による放水訓練も実施され、市民の目にも留まったと思う」と講評を述べた。
 なお、春の全道火災予防運動に合わせ、4月20日(土)13:00~16:00、ウイングベイ小樽(築港11)5番街1階ハイタッチコートで、住宅用火災警報器、消火器、防炎品の展示説明を行う。着ぐるみのマスコットキャラクター”シュウちゃん”も登場し、住宅火災防止をPRする予定。