今年も盆踊りの季節となり、各町内会で開かれる中、小樽市の無形民俗文化財に指定される「高島越後盆踊り」が、8月17日(日・雨天中止)・19日(月)・20日(火)の3日間の日程で、小樽高島公園(高島3)を会場に開かれている。
高島越後盆踊り保存会(長谷川洪徳会長)のメンバーが、やぐらの上から生歌と笛や太鼓の生演奏を響かせ、踊り手が、花編笠を被り、千鳥の絵があしらわれた揃いの浴衣姿で登場。独特の手足の動きで、優雅な踊りを披露した。舞台の四方には大漁旗も飾られ、漁業で栄えた当時を偲ばせた。
越後踊りは、新潟県北蒲原群紫雲寺町が発祥の地といわれ、明治の初期にこの地に移り住んだ人たちが、お盆になると先祖の眠る故郷に思いをはせながら踊ったのが始まりとされている。この踊りは、踊りと囃子に2つの形態があり、これらを交互に連続して行なうのが特徴。歌は労働歌を中心に、約190もの歌詞がある。
1979(昭和54)年に同保存会を発足し、2001(平成13)年には、小樽市指定無形民俗文化財に指定された。現在では、会員125人で、高島地区6割、市内4割となる。市内各地の行事などで、その優雅な踊りを披露している。保育園で踊りを指導したり、特別養護老人ホーム「はる」を慰問、高島福祉会でのイベントに出演するなど、地域との交流を図っている。
また、今年5月には、日本コロムビアからDVD「ふる里の民踊53集」が発売され、高島越後盆踊りの映像と踊り方の解説が収録された。同会から踊り手が出向き指導を行った。
同会の斉藤正博副会長は、「明治から伝わった郷土芸能を絶やさず、より発展するよう活動している。他の盆踊りと違って2つの踊りがあり大変珍しい。最終日には、踊りの輪がいくつもでき、大勢の人が踊りを楽む」と話した。
19日(月)には、保存会メンバーや市民らが大勢参加し、踊りの輪を作り、保存会メンバーの手本を見ながら、足や手を動かし見よう見まねで踊りを楽しんだ。やぐらや大漁旗、提灯が、盆踊りの雰囲気を醸し出し、時間が経つにつれ参加者が増え、踊りの輪が広がっていった。
8月31日(土)、同会より囃子・踊り手約30人が、小樽サンモール一番街で開かれる夏祭りに出演を予定している。
高島越後盆踊り 8月17日(土)雨天中止・19日(月)・20日(火)19:00〜22:00
高島公園(高島3-16・高島稲荷神社隣り)
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