11年ぶりの仏前結婚式! 本願寺小樽別院


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 浄土真宗本願寺派本願寺小樽別院(富永眞秀輪番・若松1)では、10月5日(土)12:30から、本堂で、仏前結婚式が11年ぶりに行われた。今回結婚する2人は、室蘭在住の小本達也さんと同寺院が経営する幼稚園の教諭の藤井亜季さん。僧侶12名と両家親族60名、檀家、近隣住民らが出席し見守った。
otarubetsuin2.jpg 同寺院富永輪番(住職)は「吉事と仏教との関わりは多く、初産式や七五三、すべての祝いに広く関わっている。古式ゆかしい仏式にふさわしく、結婚式仏具一式の式杯・香炉・雄蝶雌蝶(一対の銚子)・香合(香を収納する蓋付きの小さな容器)の5品を、小樽を象徴するガラス製品に変えようと考え、株式会社ザ・グラス・スタジオの浅原千代治代表に制作依頼した。今後、仏式の堅苦しい考えを変え、和装でも洋装でも、仏前結婚式を広く利用してもらいたい」と話した。1ヶ月の制作期間を経て、この度、結婚式仏具一式5点が初披露された。
 富永輪番が司婚者を務め、仏前結婚式が執り行われた。寺院職員と僧侶による雅楽の生演奏が会場に響きわたる中、新郎新婦が入堂。司婚者のお勤めがはじまり、華葩(かは)とも散華(さんげ)とも言われ、寺で厳修される法要の際に撒く蓮の形の色紙が天井から舞った。新郎新婦は、誓いの言葉を述べ、念珠と指輪を交換。次に焼香があり、ガラスで作られた香合と香炉で、三々九度ではガラスの式杯が使用された。
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 司婚者から、「本日はまことにおめでとうございます。仏前でこれからの人生を念仏とともに強く生きることを誓った。夫婦として、数多い男女の中から結ばれ、深いご因縁である。2人に『和』という字を贈りたい。私が私がとなりがちだが、和は”なごむ”、”やわらく”との意味があり大切である。長い人生、今一度考えてもらいたい。どうぞ和をもって、ふたりの人生をお互いに敬い慈しみ、明るく強く歩んでほしい」と述べた。
 その後、参列者一同で御本尊に合唱し、新郎新婦が退堂した。その際、参列者は、華葩(かは)を撒いて祝福した。30分ほどで式は終了した。
otarubetsuin4.jpg 同社・浅原氏も参列し、「2ヶ月ほど前に、住職から仏前結婚式で使う仏具をガラスで作ってもらいたいと依頼があった。以前から仏具のロウソク立てや花立ては作っていたが、仏前結婚式で使うものは初めてだった。小樽はガラスの町でもあり、ぜひとも応えたいと制作した。金(こん)・銀(ごん)・瑠璃(るり)・玻瓈(はり)・硨磲(しゃこ)・赤珠(しゃくしゅ)・碼碯(めのう)の七宝のイメージがあった。香炉を蓮の花のイメージにし、香合は水晶をイメージし、透明のガラスをかたまりにし重量感を出した。ガラスは割れるイメージがあるが、初めての発案を、新たに提案させてもらいたい」と話した。