2期連続"持ち直している" しりべし経済レポート


 財務省北海道財務局小樽出張所(港町5・岡田一則所長 )は、「しりべし経済レポートVol.71」(平成26年1月〜3月期)をまとめ、5月21日(水)に発表。総括判断を、「管内経済は、持ち直している」とし、2期連続据え置いた。
 各項目別に見ると
 個人消費では、持ち直しているとし、主要小売店売上高動向を見ると、消費税率引き上げに伴い、3月に日持ちする食料品やアルコールや酒に加え、タバコなどの駆け込み需要が見られた。新車登録最数動向もハブリット車種が人気となるなど、総体では前年を上回った。受注では、2月後半から落ち込んでいるが、自動車取得税の軽減をアピールして、消費税引き上げの割高感を軽減させている。
 観光では、前年を大幅に上回った。引き続き外国人観光客が好調で、市内の宿泊客もプラスとなった。今後、大型客船の入港や小樽あんかけ焼きそばのB1グランプリ出場、NHK連続テレビ小説「マッサン」など、期待材料も多い。
 住宅建設は前年並みで、新設住宅着工戸数は、貸家や分譲住宅が前年を下回り、持ち家は上回った。少なからず、消費税率引き上げによる駆け込み需要があった。
 公共事業は前年を上回るが、人手不足、人件費や資材の価格の上昇の影響等で、業者は厳しいとの声も聞かれる。
 生産は、水産加工は、タラコは前年より減少したが、ミガキニシンは例年並み。生コンは、順調に推移し、例年並みの動きとした。
 漁業は、水揚量・水揚金額ともに前年を下回り、不振が続いている。
 貿易も、輸出・輸入ともに前年を下回る。輸出は、ロシア向けの自動車が増加したが、中国向けの再輸出品が減少した。輸入は、ロシアからのカニ等が減少した。
 金融も管内金融機関の貸出金残高では、運転資金が低調となり、総体で前年を下回る。
 雇用では、改善の動きが強まり、有効求人倍率は、求職者数が減少し、求人数が増加したことから、前年を上回り、新規求人数は、卸・小売業・宿泊・飲食サービス・製造業等幅広い業種で増加した。
 企業倒産では、他社倒産の余波で2件、販売不振で1件の計3件となり、負債総額ともに前年を下回った。
 各項目を前回(25.10-12期)と比較しての判断では、公共工事は前年を上回り、雇用は有効求人倍率が1倍を超えるなど広い分野での求人数が増え、この2項を上方修正した。一方、貿易は、輸出はマイナスに反転し、輸入はマイナス幅が拡大したことから下方修正した。個人消費、観光、住宅建設、生産、漁業、金融、企業倒産を据え置いている。
 これらを踏まえて総括判断は、前回(25.10-12期)に引き続き、「管内経済は、持ち直している」とした。
 しりべし経済リポートvol.71
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