野球少年の肘を守る"野球検診" 済生会小樽病院

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 北海道済生会小樽病院(近藤真章院長・築港10)では、後志管内初開催となる「野球検診」を、8月26日(火)17:30から、同病院2階講堂やリハビリテーションセンターで開いた。小樽リトルシニア球団(中学生硬式野球チーム・寺田壽会長)の50名と保護者、球団関係者ら100名が参加した。
 野球検診は、成長期の子ども達が、日々の運動によって引き起こす骨や関節等の各種障害を、早期に発見するのに効果があり、あまり痛みを感じなくても進行している場合があり、痛みがあってからでは手術や完治に時間がかかる場合がある。症状のない時に検診を行い、障害の有無をチャックすることが重要だと実施した。
yakyukenshin1.jpg 参加者は、中学1・2年部員と3年部員の2つのグループに分かれ、検診と講義を受けた。
 講義では、札幌医大付属病院(整形外科)の清水淳也医師が講師を務め、「野球肘を予防しよう!」と題して語った。清水医師は、昭和59年札幌市に生まれ、小学3年生から野球を始め、札幌南高校野球部に入部し、甲子園出場経験者。現在も野球チームに所属し、ピッチャーとして活躍している。今回の講演では、野球肘を中心に、経験談を交えて分かりやすく語った。
 はじめに、自分の野球人生を振り返り、辛かったことや厳しい現実を語り、野球肘について、投球障害の原因、検診の重要性について、話を進めた。
 小中学生が痛みを多く訴える箇所は肘で、次に肩、腰の順。その多くが骨と軟骨の障害がほとんど。その第1位には「リトルリーグ肘」、第2には「離断性骨軟骨炎」で、その2つについて発生原因を図解しながら詳しく説明した。
yakyukenshin3.jpg リトルリーグ肘は、肘の内側を押した時に痛みがあり、肘が固くなったり伸びなくなる症状がある。肘関節は、一方向にしか曲がらないが、その反対の方向に肘が曲がって行こうとする際に発生する外反ストレス痛も原因となる。症状が現れたエコー検査の画像を紹介した。離断性骨軟骨炎は、重症になると手術を行い、投球・打撃も中止を余儀なくされる。
 投球障害の原因については、投球フォームや投球過多、身体特性を上げ、怪我のないフォームを考え、正しいボールの持ち方を詳しく説明した。また、怪我の多いフォームについては、肘が下がる・体が開く・軸足がぶれる・体が硬いことを上げ、解説した。
 最後に、清水医師は「今無理をする必要があるのかを常に考え、自分にあった投球フォームを身に付ける。早めの受診が必要。野球で楽しい場面が沢山あり、怪我をすると野球ができなくなる。長く野球を楽しむためにも怪我のないようにしてもらいたい」と話した。
 中学1年生の母親は、「今のところ、痛みを訴えたことがないが、今後、痛みを訴えた場合、対処できるよう勉強になった」と話した。
yakyukenshin2.jpg 市内在住の中学2年の中山竜之介君は、守備はピッチャーと外野で、左腕を骨折中。「野球肘になったら、野球ができなくなるので怖い。小学校の時、肘が痛かったことがあり、投げられなかった。講演を聞いて、投球フォームが正しいと防ぐことができると感じた」と話した。
 検診は、リハビリテーションセンターで、理学療法士や整形外科医など40名が対応にあたった。会場では、問診や身体測定(肘・肩の柔軟性など)や、超音波エコー検査(関節や軟骨)など7箇所で検診が行われた。
 2012年に紋別で開かれた野球検診では、44%がリトルリーグ肘を、9%が離断性骨軟骨炎と診断され、2013年にも実施。痛みがなくても、超音波を当てると怪我を発見。要精査と言われた場合は必ず病院を受診するよう伝えた。
 同病院和田卓郎副院長は、「早期発見・早期治療のために実施し、症状がなくても検診は必要。今回は中学生を対象に開いたが、今後は、小学生や高校生を対象に実施したい」と話した。
 済生会小樽病院HP
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