しりべし経済レポート 5期連続"持ち直している"


 財務省北海道財務局小樽出張所(港町5・岡田一則所長 )は、「しりべし経済レポートVol.74」(平成26年10月〜12月期)をまとめ、2月18日(水)に発表。総括判断を、「管内経済は、持ち直している」とし、5期連続据え置いた。
 個人消費は、持ち直していると判断。主要小売店売上高を見ると、家庭用品等は前年を下回ったが、飲食料品は堅調となり、総体では、前年並みとなる。新車登録台数動向は、新型車の投入や駆け込み需要の反動はなくなった。
 前年を上回った観光・公共工事・漁業(水揚金額)・金融(貸出金残高)は、航空便の増便や円安傾向でニセコエリアのにぎわいなど、中国・韓国などの外国人観光客の増加や、マッサン効果による日本人観光客も増え、関連商品も好調となった。
 漁業動向では、水揚量は、サケ・マスが増加したが、ホッケ等が減少し、12月のシケの影響もあり、前年を下回ったが、ホッケの大ぶりなものは高値となり、ウニからナマコへ、漁の手間がかからず、単価の高いものへ変更するなど、水揚量では、前年を上回った。
 資金需要動向では、管内金融機関の貸出残高は、設備資金・運転資金とも、久しぶりに前年を上回った。
 輸出は、中国向けの再輸出品や自動車が減少し、輸入は、ロシアからのカニ等の減少により、輸出入ともに前年を下回った。
 生産は、水産加工のタラコ・カズノコが例年並みとなった。
 雇用は、求職者数が減少し、求人数が増加したことから前年を上回った。新規求人数は、飲食サービス業が増加したが、卸売・小売業が減少したことから前年を下回った。
 管内では、観光客増への対応や、社会福祉への求人も多いが、求職者が現れず、フルタイムだが正社員になれない状態が続いているとの声もある。
 企業倒産は、放漫経営が原因で1件の倒産となった。
 前回(平成26年7月~9月)と比較した項目別判断では、金融のみ、貸出金残高は前回を上回り上方修正を行い、個人消費・観光・住宅建設など9項目は、据え置いている。
 総括判断は、「管内経済は、持ち直している」とした。
しりべし経済レポートVol.74