運河の絵画と舞踊のコラボ 美術館特別展


 市立小樽美術館(色内1)で開催中の特別展「小樽運河・いまむかし」の関連事業第2弾として、5月9日(土)14:00から、同館2階特別展会場で、故藤森茂男氏の長女で舞踊家の藤間扇久華さん(藤森五月)が、小樽運河の絵画を背景に、クラッシク音楽に合わせ、創作舞踊を上演する「運河との対話」が開かれる。
kaigacollabo1.jpg 小樽運河の歴史に関する箇所を 小樽散歩案内(有限会社ウィルダネス)から引用して、扇久華さんの朗読もある。運河の絵画を背景に、クラシックに合わせ、今を生きる人と過去の運河に思いを馳せた人が 時を経て運河と対話する物語を創作舞踊で表現する。
 扇久華さんは、母で舞踊家の藤間扇玉さんに師事し、日本舞踊師範となり、子ども達への日本舞踊継承に尽力している。同館では、3年前に市民ギャラリーで上演し2度目となるが、父親の作品の前での披露は初めて。
 1983(昭和58)年、運河の杭打ち工事が始まり、運河の埋め立てを目の当たりにし、運河を描いていた沢山の画家達には、心の葛藤が何年も続いた。運河の姿が変わり、描くのをやめた人もいたが、新しくなった運河を描こうとする人もいた。その人々の思いを受け止め、創作したという。
kaigacollabo2.jpg 扇久華さんは「運河を保存しようと郷土愛に情熱を燃やした人が、小樽に沢山いたことが分かり、踊りたいと思った。父(茂男氏)だけをモデルにしたのではなく、運河保存運動に情熱を燃やした方々の思いを込めて、いろいろな画家の姿を表現したい。100年前の事実を知り、次の100年を若い世代の人達へ伝え、頑張った人々の情熱を無にしてはいけない。運河に何かしら思いを抱いていた方々にも、ぜひ見てもらいたい」と話した。
 同館では、小樽運河を守ったデザイナー藤森茂男氏(1936-1987)を中心に、運河の歴史を絵画が語る「小樽運河・いまむかし」を、4月25日(土)から7月5日(日)まで開催中。
 運河保存運動の父と言われる藤森茂男氏の作品と、小樽にゆかりのある24名の作家の運河を題材に描いた60点を3部構成で紹介。同館1階の中村善策記念ホールと2階の企画展示室の2つを会場にして、運河の過去から現在までを網羅した特別展となっている。
 開催初日に、関連事業第1弾として茂男氏の妻・藤間扇玉さんが「夫 藤森茂男と生きた日々」を、同館佐藤敬爾館長と対談し、90名が参加した。
 関連事業
 ●絵画と舞踊のコラボレーション「運河との対話」
  5月9日(土)14:00 市立小樽美術館(色内1)2階展示室
  定員50名(事前予約)
 ●札幌コダーイ合唱団ミュージアムコンサート「はるかな国と時代へ旅する」
  6月13日(土)14:00〜15:30
 問合せ 0134-34-0035 市立小樽美術館
 市立小樽美術館協力会HP
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