乾英男個展"小樽スケッチ" 広がる素顔の風景


 小樽の観光地ではなく、路地裏や坂の風景など、小樽の素顔にスポットをあてた乾英男氏の個展「小樽スケッチ」が、5月1日(金)から10日(日)まで、オーセントホテル小樽(稲穂2)1階ギャラリーで始まった。訪れた人々から「懐かしい」と、感動が広がっている。
otarusketch1.jpg 同ギャラリーでの個展は、2011年10月の「小樽子どもの国」をメインにした作品で開催し、昨年9月に2回目を、今回は3回目の個展。小樽の風景をこよなく愛し、小樽に通った15年間に撮り溜めた中から、小樽の素顔の風景を選び、2LサイズからA3までの25点を発表。ポストカードと2Lサイズにした小樽の風景を販売している。
 乾氏は、小樽出身で高校では写真部に所属し、卒業後からは札幌在住。会社員である今も、小樽へ来て町並みを撮影するのをライフワークとし、自身のブログでは、ほぼ毎日、小樽で撮影した素顔の風景を紹介し続けている。小樽在住者よりも、建物の変化に敏感で、取り壊される前に画像に残し、追ってその後の風景も撮り溜めている。
 乾氏の作品には特徴があり、一瞬、絵のように見え、微妙なさじ加減を加えることでスケッチしたように加工されている。小樽の町をよりノスタルジックに印象づけている。
 一番のお気に入りは、石山界隈の坂の風景。うねうねした坂が好きで、住宅が坂伝いに建ち、屋根の色もカラフルで面白いという。小樽の坂に魅了され、魅力的に坂を切り取り作品にしている。
otarusketch2.jpg 案内状にも松ヶ枝町付近の坂を、乾氏の感性で切り取り、スケッチ風に仕上げたものを使用。会場では、今はなき丸井とマルサを繋ぐ屋根付きの通路や合同庁舎、妙見市場や観光船祝津号、小樽人にとって懐かしい風景が並ぶ。
 前回の個展で、来場者から「場所はどこと?」と聞かれることが多かったため、今回は、場所を示した地図を添付し、訪れる人への気使いが感じられる。
 乾氏は、「小樽の観光地(よそゆきの顔)ではなく、小樽の素顔を撮影し発表。今はなき建物や新しい風景の両方を織り交ぜ展示している。ぜひご覧いただきたい」と話した。
 小樽の風景写真と同時進行中で、花の写真をブログ等で発表している。花をふわっと見せる乾氏の撮影技術が光る作品の数々に、多くの女性の人気を集めている。花の一部分とバックのぼかし加減が絶妙なブログ”ainosato ブログ02″は、乾氏が作る花の世界が広がっている。
 乾英男写真展「小樽スケッチ」
 5月1日(金)1〜10日(日)10:00〜18:00(最終日15:00)
 オーセントホテル小樽(稲穂2)1階ギャラリー 入場無料
 小樽スケッチ
 ainosato ブログ02
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