案内人と坂道を巡る! 小樽坂道文学歴史散歩

 市立小樽文学館(色内1・玉川薫館長)では、9月6日(日)まで、小樽の坂道を絵画・詩・写真で紹介する「小樽・坂道物語展」が開催中。
sakamichisanpo1.jpg この企画展に関連して、23日(日)10:00から、フリーライター渡辺真吾氏が案内役となり、小樽坂道文学歴史散歩が開かれ、15名が参加。なじみ深い坂を巡りながら、歴史的成り立ちや様々な逸話が紹介された。
 玉川館長は、「小樽には坂道が多く、どんな起伏になっているのだろうか、海岸線に繋がる道が坂になるのはなぜか、自分の足で感じとってもらいたい。また、坂の成り立ちや変化など、渡辺さんの話は面白く、皆さんも共有してもらいたい」と挨拶した。
sakamichisanpo2.jpg 一行は、同館をスタートし、量徳寺・住之江・市立小樽病院・三本木坂・入船七又路・職人坂・水天宮・外人坂・堺町のコースを、3時間ほどをかけて散策。
 案内役の渡辺氏は、東京出身で小樽在住のフリーライター。小樽の歴史や生活に拘った細かい部分にも詳しく、図書館にある古い新聞の隅々まで読み尽くしているという。
 コースのポイントでは、その土地や坂に纏わる歴史を、逸話を交えながら紹介した。時には、立看板の間違いも指摘し、場所に纏わる面白い新聞記事を紹介するなどして、楽しく解説。参加者は熱心にメモを取りながら、初めて聞く歴史や逸話に興味を示しながら、有意義な時間を過ごしていた。
sakamichisanpo3.jpg 渡辺氏も数日前に確認したばかりの、上坂紙店の裏手で、当時、小樽公園まで繋がっていたと言われる花園の丘の一部分が、現在も残っていて、地面より高い位置に空き家がある場所を案内した。明治中期に撮影された写真の市街地の真ん中に、丘を削りとった跡が見えるように、現在よりも高い位置に家が建てられていたことを実証した。
 遊郭の延焼を防ぐための火防線の名残りが、住之江付近の道路が広い理由だったり、花園橋から南小樽までの鉄道が、道路と上になり下になり、急勾配を避けるように敷かれ、全国的にも珍しいことだと語った。
sakamichisanpo4.jpg この散歩で、一番の難所となる水天宮に通じる相生町の階段坂を、参加者全員で、急勾配を体で感じ息を切らして上り、小樽港が見渡せる水天宮の境内に到着した。
 水天宮の庭にある、旧樺太日露国境中間標石の予備の石を見学し、外人坂を下り、旧板谷邸から見晴坂を下り、堺町通りに出て、最盛期には、様々な銀行の支店が立ち並んだ密集地帯の銀行街についての解説を聞いた後、解散となった。
 市内在住の佐藤公彦さん(77)は、「広報で掲載された坂(2001年5月〜2006年5月)を読み、面白くて今回参加してみた。小樽に生まれ暮らしているが、知らないことが多いのにびっくり。中でも花園にある建物は知らなかった。有意義な時間を過ごした」と満足した様子だった。
 小樽・坂道物語展 8月8日(土)〜9月6日(日)9:30~17:00(入館16:30)
 入館料一般300円・高校生市内高齢者150円・中学生以下障がい者無料
 市立小樽文学館(色内1)・月曜日休館
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