観光船遊覧事業は特異性あり? 引き続き予特で質疑


 今議会で問題になっている、高島漁港区での観光遊覧事業者への港湾利用の許可について、9月21日(水)13:00から始まった予算特別委員会で質疑が行われた。
 自民党鈴木喜明議員は、「9月6日の建築物の完了検査において、一部合格していなかったが、今日の時点でまだ終了していないのか?」との問いに、市側は、9月21日(水)付けで合格した旨を明らかにした。
0921council2.jpg また、鈴木議員は、事業者の提出した書類の中にシャワー棟があったことについて、「事業者は、『遊べるビーチ』として海水浴場を提供している。飲食あり、シャワーありなら、まるで海の家ではないか。これを観光施設と言わずなんというのか?」と質した。
 市側は、「シャワーについては、漁業者は使わないであろうということで、事業者に取り下げてもらった」と説明した。
 最後に鈴木議員は、「各会派とも、皆さん、この運用はあまりにもねじ曲げられたものではないのか?と、おそらく疑問を持って聞いている。関係部署はこのことを説明できるようにしてほしい。ほかの法令遵守の意味合いからも、このことだけが、特異性があると思う」と指摘した。
 新風小樽安斎議員は、Uフックを車止めから外すように、市が事業者に指示している理由を尋ねたが、市側は、「車止めは、車が海に落下することを防ぐ目的で設置してあり、Uフックを付けて、それが船に引っ張られることで想定外の力が加わると壊れてしまうのでやめてほしいと指示している」旨の説明をした。
 また、クルーザーが係船している場所は護岸であり、北海道開発局では、「護岸は背後用地を守る施設なので、船舶は係留できない」と言っていることについて説明を求めた。
 これに対し、市側は、「運河も護岸だが船を係留しているから問題ない」と答えたが、安斎議員は、護岸に船を係留しても良いのか悪いのか再度答えを求めた。
 これに対し、市側は「小樽市の港湾については、護岸も含めて港湾使用条例に基づいて、許可をしている」と答えた。港湾使用条例
 最後に安斎議員は、「いずれにしても漁業権が設定されており、既に漁業を営んでいる人がいるのだから、そういった方々とちゃんと話をして、協定を結んでしっかり進めてほしい」と指摘した。H280921 小樽市議会予算特別委員会(2日目)2

 9月21日、現地を確認したが、議論になっている現場には、4棟の建物が並び、事業者が『遊べるビーチ』と紹介している小さな浜が見えた。
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 また、護岸には、車止めに違法に設置したUフックにクルーズ船が一艘係留していた。
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 Uフックは車止めに穴をあけて、しっかり留められており、3ヶ所確認できた。
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 作業をしていた漁業者は、「かなり揉めている話を聞いている。例えば、ビーチのようになった場所のそばには、昆布がたくさん生えていて、ウニやアワビの稚貝を育てている。クルーザの停まっている場所にも良い昆布がたくさんあり、稚貝を播いている」と話してくれた。
 浮桟橋は、市が許可をしているが、まだ設置されていなかった。施設周辺では、森井市長の後援会関係者が動き回る姿が見られた。
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