代表質問中断!定例会冒頭から波乱


 小樽市議会(横田久俊議長)の平成28(2016)年第4回定例会代表質問が、12月5日(月)13:00から、市役所本会議場(花園2)で始まったが、1人目の自民党中村吉宏議員の質問に対する市長答弁をめぐり中断。約4時間後の19:20に再開したが、そのまま散会となった。
 質問要旨
 問題の質疑応答だが、中村議員は、市長が突然のように泊原発の廃炉要望書を北海道電力へ提出することについて、「市長公約の原発再稼働反対を否定しているのでは無い。議会への報告もなく、(12万人いる)市民議論もない中で、小樽市として意思形成をしたと言えるのか?」と、市長の拙速で説明不足の態度を指摘した。
1205council2.jpg これに森井市長は、「議会の中で何度も原発に対する考えや、北海道電力に対してアプローチをする考えも述べてきた」と応じた。
 この答弁に対し、自民党鈴木喜明議員が、「原発について反対を述べていたことは記憶している。しかし、廃炉の要望についても議会で明らかにしていたようなことを答弁したが、それは記憶に無い。これまでの答弁の精査を求める」と議長に求めた。
 今回の森井市長の廃炉要望に関しては、自民・公明両会派が、「(市民と市と議会とが互いの役割や責務を理解し合い、協働のまちづくりを進める)自治基本条例の精神を踏みにじるものだ」として、11月10日に要望のあり方を見直すことを強く求めていた。
 ◎北海道電力株式会社への要望活動中止方について
 また、森井市長自身、12月定例記者会見において、再稼働反対を実現していく上で重要になってくる地元自治体や北海道知事との話し合いについて、「今は、そこまで考えていない」と答えるなど、今回の廃炉要望も今後を見通した熟慮ある行動であるのかどうか疑問で、単なるパフォーマンスとしか感じざるを得ない答弁を行っている。関連記事
1205council1.jpg さらに、森井市長の後援会幹事長が代表を務めるダンプ事業組合が、自民党2議員の市議会における発言が名誉棄損にあたるとして、小樽市を訴えたことに対する質疑応答では、「秩序や品位ある議会を念頭に置くと、もう少し慎重に質問していたらこんなことになっていない。市役所も市民も、迷惑にならなかったと思う。改めて秩序ある議会を意識して、いろいろと議会の中で考えてほしい」と他人事のように答えた。関連記事
 これに対し、自民党鈴木議員が、議会に瑕疵があるような市長答弁は、訴訟に影響するものであり、また、議会に対する侮辱的な発言であるので内容の精査を議長に求めたため、15:17に休憩となった。
 約4時間後の19:00に、ようやく議会運営委員会が開催され、議長により行われた議事録の精査結果とその後の市長側とのやりとりの経緯が報告された。
 原発に関しては、「(議会における、市側と議員)双方のやりとりは、市長公約における原発再稼働反対について交わされており、市長答弁に廃炉について言及は無かった」と整理された。
 また、裁判については「現在進行中の裁判であり、被告である市長にあるまじき発言。また、議会を侮辱し、議員の質問を抑制するかのような発言であり、とうてい看過できない」と、上林猛副市長に伝え、市長発言の撤回を求めたところ、森井市長からは「中村議員の質問に対し答えただけであり、別に裁判に関係なく、議会を侮辱したと考えていない。発言を訂正する意思は無い」と回答があったことが報告された。
 これに対し、自民党山田雅敏委員は、「全く議長の考えの通りだと思う」。公明党秋元智憲委員は、「今回の議場での発言を改めて読んだが、浅はかというか、発言の重要性というものを解っていないことを改めて認識した。これから争われる裁判の中身に関わる発言なので、全く看過できないし削除してもらわなければ認めることはできない」。
 共産党小貫元委員は、「議長の考えを示してもらったが、その通りだ。問題ある発言だと思う」。民進党佐々木秩委員は、「市長はどのような立場で発言しているのか?自分の置かれた立場を理解しているのかどうか疑問だ。裁判の被告という立場でいれば、この発言が、不利な証拠として使われる可能性があることを考えると、発言の削除が当然で合理的だ」と、それぞれ意見を述べた。
 各委員の発言を受け、同委員会は、「市長答弁は看過できず、撤回と謝罪を申し入れる」ことに決定し、中断していた本会議を再開した上で、そのまま散会することに決めた。
 12月6日(火)は、通常であれば13:00から開催予定。中断している中村議員の代表質問から始まる。
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