本気プロまもなく10年! 成果発表会と座談会


 小樽商科大学(緑3)が開講する正課科目・社会連携実践(担当:大津晶准教授)で、商大生が小樽の活性化を本気で考えるプロジェクト(通称マジプロ)の「本気プロ2016夏(昨年7月~12月)」の最終成果発表会が、1月18日(水)15:00から、同学3号館2階213AL講義室で開かれ、これまで履修した学生や新規履修学生、協力企業など80名が参加した。
0118majipro1.jpg 第1部は本気プロ2016夏の3つのプロジェクトの発表があり、1つ目は「小樽ブランドを活かした新たな商品開発」で、小樽のほとんどの小学生が使用しているナップランドに注目し、小樽に根ざしたナップランドについて調査。
 小学生限定カバンのイメージを変え、大人でも使える生活スタイルに合わせた新しいナップランドの開発に取り組んだ。ナップランド販売店のバッグのアカイシ、バッグのムラタを行き来し、同店監修の新デザインカバン製作を後志の企業に依頼。試作品の完成は10月頃を予定していると発表した。
 ナップランド使用世代の男性から「どんな年代をターゲットにしているのか?」と質問があり、「ナップランドを販売しているカバン屋さんに買い物に来る人をターゲットにし、若者向けのデザインでも大人も使えるもの」と答えた。
 また、このプロジェクトから学んだことは、「少子化に伴い、現実問題としてナップランドにも危機感を感じていること、通いつめるうちに本音を聞くことができた」と話した。
0118majipro2.jpg 2つ目の「小樽観光のユニバーサルデザイン」は、店舗等のアンケート結果から、トイレの使用方法が分からない外国人観光客が多いことを知り、日本語・英語・中国語・台湾語・韓国語に対応した使用方法のシールをデザインし、A4サイズ120枚×4種類の1,440枚を製作。店舗で必要なシールを使用することで、トイレを綺麗に使用でき、小樽のおもてなしに繋がるとした。
 最後の「市立図書館の活性化」は、図書館の利用者数が減少傾向にあり、本と実体験をプラスした地域に根ざしたコミュニティを目指し、12月におたる水族館と図書館が連携したイベント、1月にぐりとぐらの絵本を読み聞かせ、絵本に出てくるカステラを子ども達と作った。
 参加者の中から、「なぜ本を買わずに図書館を利用しているのか、掘り下げることにより見えてくることがあったかもしれない。本が好きな人が集まる場所とあるが、本が好きな人ばかりでなくても良かったのでは?」と厳しい指摘があった。
0118majipro3.jpg 鈴木館長は、「水族館と連携して新たな方向性を見つけた。今回はイベントなので、今後どう継続して、日常に繋げるかが課題となる」と話した。
 第2部は、まもなく10年を迎える本気プロを今後に繋げるための、同准教授や小山田健学術研究員による解説が行なわれ、参加者が5つのグループに分かれ、小樽・後志の活性化のために取り組んでほしいプロジェクトや取り組むべきプロジェクト、今後に望むことを各グループごとにまとめ発表した。
 屋形船など地域の施設を活用して、国内外の観光客へ新しい小樽の魅力を発信するプロジェクト、観光をテーマに夜のツアー、トイレの場所や飲食店の営業時間を盛り込んだ観光マップを作り、外国語で書かれたメニューなどを製作するプロジェクトを発案し、地域との連携を深め課題を解決するためには、学生の人数を増やしマジプロを長期化させるよう望む意見があった。
 最後に、すでに始まっている新プロジェクト(銭函の活性化他1つ)と、新履修生の紹介があった。
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