"第72回招魂祭" しめやかに挙行



 小樽で一番早い祭りと言われる「第72回招魂祭」が、5月15日(月)11:00から、植樹された八重桜が見頃を迎えた小樽公園高台の顕誠塔前で、しめやかに挙行された。
 主催する小樽顕誠会・野坂和弘会長や新合祀者遺族をはじめ、小樽市長・市議会議員ら、約70名が出席。住吉神社楽部による雅楽演奏が会場に響き渡った。
syoukonsai1.jpg 必ず雨が降ると言われた同祭りも好天に恵まれ、参列者遺族の高齢化と運営担当者の負担を軽減し、末永く祭典を継続するために、昨年度から縮小され本祭1日で実施された。かつて、全市を挙げて賑わった祭りも、今では出店が1店舗も無く、淋しい祭りの光景となった。
 顕誠塔は、1923(大正12)年に建立。今年で94年になる。日露戦争終戦後、生還将士から戦死した友の御霊を慰霊したいとの申し出があり、18年かけて完成。翌年から招魂祭が始まり、小樽の一番早い祭りとして賑わいを見せていたという。1945(昭和20)年からは、郷土小樽市に貢献のあった人々を合祀することとした。
 2017(平成29)年第72回招魂祭は、小樽市の発展のために尽力し、功労が顕著であった合祀者12名が新たに加わり、既合祀者3,484名と郷土功労者1,198名を合わせ、4,682名を慰霊する。
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 野坂会長は、「我ら市民は、国家郷土の振興に微力を尽くし、世界の平和に寄与することを、ここに誓う」と祭詞を述べた。
 森井市長は、「私どもは決意を新たにし、築かれた偉大な歴史や伝統を踏まえ、郷土小樽の輝かしい未来を築くため、知恵を出し合い、努力を重ねて参る所存である。なにとぞ、郷土小樽の繁栄と平安をご照覧ご加護ください」と述べた後、出席者全員で玉串奉奠を行い、故人の遺徳を偲んだ。
 恒例の日本詩吟学院岳風会小樽支部岳船会8名による、奉納吟「小樽の功労者の魂に捧ぐ」が会場に響き渡り、先人の功績を後世に伝えるために、時代を超えて今後も続けられることを願った。
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