同窓の御霊慰める!緑丘戦没者記念塔建立50回目

 小樽商科大学(緑3・和田健夫学長)は、終戦記念日の8月15日(水)11:59から、構内の緑丘戦没者記念塔前で「慰霊祭」をしめやかに挙行。12:00のサイレンに合わせ黙祷を捧げ、戦没者同窓の御霊を慰めた。
ryokukyusai1.jpg 悪天候にも関わらず、同記念塔の建立から50回目とあって、遺族・学生・OB・学校関係者ら約90名が参列。記念に作成したパンフレットを配布し、附属図書館2階で「建立50年記念企画展」を、同3階の史料展示室を臨時開館した。
 同記念塔は、大学構内の東側の石狩湾を望む高台に、1969(昭和44)年に完成。戦火に散った学生・教員322名(現在は347名)の氏名が刻まれた墓石と、「戦の野に果つるとも 若き命 この丘にとどまりて 消ゆることなし 友よ 安らかに眠れ」と書かれた碑石が納められ、第一回慰霊祭が行われた。毎年8月15日に、遺族をはじめ同窓生・同期会の人々が集まり、戦没者を偲び哀悼の意を捧げ続け、今年で50回目を迎え、6月には改修を済ませ、今日の日を迎えた。
ryokukyusai2.jpg 和田学長は、「第一回目の慰霊祭において、当時の学長が記念塔とこれによって象徴された永遠の平和を追求することを、学園の最も貴重な遺産として末永く守りぬいていきたい。この決意を守り、記念塔の保存と慰霊祭の開催に尽力した関係者に、深い敬意と心からの感謝を申し上げる。戦後73年を経てもなお、戦争の影響が消えることはない。我々は、戦没者の慰霊と平和を誓う営みの大切さを改めて認識し、永遠に続けることを誓う」と挨拶した。
 引き続き、緑丘会・山田二郎札幌支部長は、「今日の平和が、数多くの先輩の皆さんの命の犠牲の上に成り立っていることを決して忘れてはならない。戦争の惨忍さ・悲惨さ・平和の誓い・平和の願い・様々な思想の違い・イデオロギーを乗り越えて、後世に伝えることが、今を生きている私達の使命である」と述べた。
ryokukyusai3.jpg
 その後、参加者が1人ずつ献花し、グリーン&カンタール、グリークラブOBによる、小樽商科大学学園賛歌・校歌・若人逍遥の歌・進軍歌を歌った。
 1986(昭和61)年卒業のグリークラブOBで札幌在住の男性は、「慰霊祭は3回目で、一緒に歌ったOBを見ながら、心を新たにした。今後も参加したい」と話していた。
 一部の参列者は、その後、同企画展に立ち寄り、田村忠氏の遺族や関係者が提供した緑丘の特攻隊員の出征時の寄せ書きや2年Bクラスの最後の集いを記念したアルバムも展覧した。
 関連記事