自然生態観察公園として親しまれ続けている長橋なえぼ公園(幸1)内にある森の自然館(山本謙也観察指導員)セミナー室で、昨年に続き、同公園に足繁く通う写真仲間4人の動植物を激写した写真約100点を集めた「長橋なえぼ公園の野鳥・動植物写真展」が、10月2日(水)から開かれ、散策に訪れた人々が立ち寄り、珍しい動植物に見入っていた。
昨年10月に、小松淳平さん(80)・大湯崇夫さん(71)・薬師セツ子さん(79)の3名が、山本指導員の勧めで初写真展を開催。今年は、新たに田中陽さん(68)さんが加わり、公園仲間4人での開催となった。
薬師さんはコンテスト入賞の常連でもあり、同公園には、年間100日弱通い続け、昨年は、リスの写真で多くの来場者の注目を集めた。
今回は、なえぼの植物にスポットを当て、季節ごとに特徴のある植物30点を選び展示。小樽山草会で小樽の植物を調べ、標本作りをした経験を生かして、植物の特徴を分かりやすく写真に収めている。
ミヤマウズラは、クリオネに似ていることから、森のクリオネとタイトルをつけ、9月3日に撮影した真っ赤なタマゴダケをはじめ、まさに旬の花・コガネギクの鮮やかな黄色が印象的。イチヤクソウは、木の根元に14本も集まって咲いていたそうだ。
薬師さんにとっても、初めて見つける花も多く、改めて多種類の花があり嬉しくなったという。名前が不明な花は、同館に寄贈された図鑑から調べ、「草花にはすべて名前があり、道端に咲いている花にも注目してください」と花々の魅力を伝えている。
ほぼ毎日、同公園に通い動植物の撮影を続ける大湯さんは、2003(平成15)年にエゾリスを撮影したのが始まり。今回は子どものリスを皆さんに見てもらいたいと、2006(平成18)年から2016(平成28)年までに撮影したエゾリス30点を展示している。
無邪気に遊ぶ子リスや母リス、望遠レンズでの撮影もあれば、カメラを構える大湯さんに近づいてくるリスも多く、標準レンズで接近した愛くるしい表情やジャンプしたリス、ふわふわ尻尾、中には顔に怪我をしたリスの写真もあり、動物の生命力を感じさせる。
「エゾリスは厳しい冬も越し、逞しく生きている姿が見られる。この公園の魅力は、こじんまりとまとまっていること。フィールドが狭くても動植物の種類も多く、通いたくなる何かがあるからやめられない。巡り合わなければ見つけられない貴重な時がある」と、なえぼの自然を絶賛した。
小松さんは、長橋十字街でカメラスタジオを営むプロカメラマンで、野鳥や植物の撮影を続けている。今回は、野鳥を激写した16点を展示。
羽を広げたルリビタキの雌やアトリ、キビタキ、今年5月に撮影に成功したクロツグミなど、鳥の羽の特徴を鮮明に捉えた見事な作品が並ぶ。
今回初参加の田中さんは、2004(平成16)年から鳥の撮影を続け、同公園をはじめ、全道各地で野鳥を追いかけている。
会場には、春の渡り鳥や1年を通じてなえぼに訪れる野鳥を紹介している。
鳴き声が綺麗なコマドリや、桜の木に止まるメジロ、青い羽が美しいコルリやオオルリなど、16点を展示している。
出展者は、「これだけの動植物がこの公園には生息している。この機会に足を運んでもらいたい」と来場を呼びかけた。
館内では、山本指導員が撮影した四季折々の動植物や行事風景等の写真3,000枚のスライドショーを上映中。
旧営林署の苗木生産施設として運用を開始した古い写真も含め、なえぼの歴史と今を知る貴重な写真が満載だ。
長橋なえぼ公園の野鳥・動植物写真展 10月2日(水)~11月4日(月)
森の自然館(幸1)
4月11日〜9月30日9:00〜17:00
10月1日〜11月10日9:00〜〜16:00
月曜日休館、月曜日が休日の時はその翌日
入園無料・身障者用トイレあり
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