日本遺産認定 特別講演会

 小樽中央市場協同組合(稲穂3)は、日頃の感謝を込めた特売日・顔顔(ガンガン)市を、10月15日(火)~19日(土)に開催。

 

 6回目となる今回は、同市場が日本遺産北の産業革命「炭鉄港」の構成文化財に認定されたのを記念し、同市場ガンガンギャラリーで、17日(木)と18日(金)の13:00~14:30に特別講演会を行っている。

 

 17日は、小樽市総合博物館・石川直章館長が講師となり、「炭鉄港~なぜ中央市場が日本遺産に選ばれたか~」と題して約70名が集まった。

 

 日本遺産と世界遺産や北海道遺産がどう違うのかを解説。炭鉄港の構成要素を紹介。◎文化庁〜日本遺産について(外部)

 

 近代北海道を築く基となった「炭鉄港」は、空知・室蘭・小樽を石炭・鉄鋼・港・鉄道をテーマに結び、人と知識の新たな動きを作り出そうとする取り組み。

 

 北海道の石炭は、日本全体の近代化を支え、1882(明治15)年から、手宮線が運んだ石炭が日本の近代化を支えたといえる。

 

 くらしの部分では、戦後の行商人ガンガン部隊が、小樽で仕入れた鮮魚や乾物をブリキ缶の中に入れて背負い、鉄道で産炭地へ運び、地方に住む人々の暮らしを支えていた。

 

 昭和30年代が最盛期だった同部隊の基地が中央市場で、その様子を写す貴重な写真が見つかり、その中に卸の文字を確認。古い写真が記録(証拠)となり、日本遺産の構成要素になる大きな決め手となった。

 

 石川館長は、「日本遺産の構成要素にしている現役市場はここだけ。気軽に買物できる日本遺産を持っているのは小樽だけとなる。市場は、対面販売のおもしろさや生産工程が分かるのが大きな魅力で、この建物ではなく、市場の形態そのものが構成要素と考える。

 

 日本遺産の旧手宮線で散歩し、同・中央市場で夕飯の買物ができる場所。気軽に日本遺産で買物できるのは小樽だけ」と強調した。

 

 同市開催期間に合わせ、市場2棟の壁には、市内の写真家5名による「写真展オタルノスガタ~炭鉄港にわいた小樽~」と題して、約100枚の写真を展示している。

 

 志佐公道さんは、1975年・1990年・2019年と、20年毎に中央橋から小樽駅前通りの風景を撮影。変わりゆく様子が分かる。

 

 渡辺眞一郎さんは、2017年の船見坂や20年前にあった奥沢の古い民家などの写真を、佐藤道晃さんは、小樽の行商人ガンガン部隊の人々を集め、それぞれに貴重な写真が並ぶ。

 

 特別講演会2日目の18日は、まち文化研究所主宰の塚田敏信さんが講師となり、「小樽中央市場とガンガン部隊~市場の可能性各地の市場を歩く~」について語る。

 

 ◎小樽中央市場HP(外部)

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