重要文化財を守ろう! 火災防御訓練

 小樽市消防本部(花園2)は、2020(令和2)年1月26日の第66回文化財防火デー啓発事業の一環として、24日(金)11:00から国指定重要文化財・旧手宮鉄道施設がある小樽市総合博物館(色内1)で、火災対策の確立と市民や関係者に火災予防意識と文化財の保護意識の高揚と啓発を図るため、火災防御訓練を実施した。

 1949(昭和24)年1月26日に、奈良県法隆寺金堂が焼損し、その後、文化財の火災が相次いだことから、消防庁と文化庁は、文化財を火災や震災などから保護するために、1955(昭和30)年に火災防火デーを定め、全国的に文化財防火運動を実施している。

 昨年に引き続き、重要文化財の多い同館で訓練が実施され、同館職員で構成する自衛消防隊8名と消防本部7隊25名・消防団本部団員4名・第2分団3名が参加。放水塔付消防ポンプ自動車・化学車等の大型消防車両7台が出動した。

 同館屋外の国指定重要文化財の機関車庫1号から出火し、機関車庫3号に延焼の恐れがあるとの想定で、自衛消防隊と消防機関が連携して、本番さながらの訓練を実施した。

 火災を発見した自衛消防隊は、初期消火活動・119番通報・利用者の避難誘導に努め、機関車庫にある重要資料を安全な場所に持ち出した。消防隊到着後、消火活動をして残りの重要書類を運び出し、陸と上空のはしご車など5ヶ所から一斉に放水し消火活動を行った。

 宮越繁喜消防署長は、「自衛消防隊と消防隊・消防団の3者で協力して良い訓練となった。昨年の首里城や白川郷など、日本にとって貴重な財産が焼失しているので、小樽にとっての文化財は市民にとっても財産であり、管理している皆さんと協力しながら、市民の財産を守っていきたい」と講評を述べた。

 石川直章館長は、「建物は複雑な構造のため、きめ細かい設定で訓練を実施し大変参考になった。冬場の暖房を使う時期であることや資料の持ち出しを設定し、職員が必要なものを初期消火後に持ち出したが、持ち出せなかったものは、消防隊員に持ち出してもらった。お客さんについては、今回不明の設定で、お客さんの安全を第一に考え、職員や消防隊員も声をかけながらの訓練を行い、より実践的な訓練となった」と述べた。

 ◎小樽市消防本部(外部)

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