新小樽駅前構想と課題 新幹線活用小樽まちづくり協議会

 小樽市は、新幹線を最大限に活用した魅力あるまちづくりを目的に、第4回目の北海道新幹線活用小樽まちづくり協議会を、3月24日(火)10:00から、小樽経済センタービル(稲穂2)7階ホールを開いた。

 同協議会の会長を務める迫俊哉市長をはじめ、19名の委員が出席し、建設部新幹線まちづくり推進室職員が説明を行った。

 北海道新幹線(新青森-新函館北斗)が2016(平成28)年3月26日に開業し、新函館北斗から札幌までは、2030(令和12)年の開業を予定している。

 新小樽駅(仮称)駅前広場についての報告と新駅附帯施設について、新駅交流量に関する増加戦略の取組に向けての課題について話し合った。

 同協議会は、新幹線開業による地域の活性化やにぎわい効果等が期待され、その効果を最大限に活用した魅力あるまちづくりを進めていくために、官民が一体となってアクションプランの作成や取組を推進するめたに、2018(平成30)年12月に設置され、これまで3回の協議会を開催している。

 新小樽駅は、小樽駅から直線で南方向に約4km離れた北海道横断自動車道そばの天神地区に建設を予定し、2018(平成30)年に実施した地形測量により、現地の高低差や道道の縦断勾配の状況が判明し、駅前広場レイアウト案(駅北側市道整備案)の課題が明らかになった。

 道道出入口は、中長期駐車場用とバス・タクシー用と自家用車用の3ヶ所。駅前広場との高低差(段差)が1~2mあり、駅舎施工基面高は標高83.3m。駐車場の収容台数は約300台。

 自家用車用出入口部における道道の縦断勾配が4.7%であり、道路構造令の規定2.5%を超過し、バス・タクシーバース区域と自家用車バース区域に高低差が生じるため、駅前広場内に擁壁工事が必要となり、各区域間の移動のための階段とスロープが必要となるため検討が必要。2020(令和2)年度中にレイアウト修正を完了させ、2021(令和3)~2022(令和4)年度にかけて、大規模事前評価の手続きを得て、2023(令和5)年度には都市計画を決定する予定。

 また、事務局が作成した新駅附帯施設配置のイメージ図には、待合室・観光案内所・情報発信スペース・トイレ・コインロッカー・授乳室を配置した。

 委員からは、「キヨスクなど人の盛り上がりのできるスペースを工夫し、新駅としての価値が上がる小売が良いか、土産が良いか考える必要がある」、「待ち合わせをする客に対する配慮はどうか、利用する人の立場に立って考える必要がある」との意見があった。

 飲食店等の利便施設については、スペースや運営に関して難しいもの、今後、情報を聞きながら検討していきたいとした。

 新駅交流量に関する増加戦略の取組については、実際のダイヤが開業の半年ほど前にならなければ判明しないため、試案を作成し、北海道新幹線全線開業後における札幌駅までの片道運行本数を現行の新青森駅と同数の21本と想定。新小樽駅の停車本数を13便と想定すると、21便中8便が通過してほどんど停車しない可能性があることから、停車便数を最大限増加させるため、利用者増加戦略を立てることが必須とした。

 今後は、協議会での意見を踏まえ、正副会長の会合等により議論の方向性や枠組みを決めていきたいとした。

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