小樽市職員 不正会計処理で懲戒免職

 小樽市(迫俊哉市長)は、5月29日(金)17:00から、市役所(花園2)2階市長応接室で緊急記者会見を開き、職員による準公金の私的流用が見つかり、本日付けで懲戒免職にしたことを報告し謝罪した。

 その職員は、2017(平成29)年から2020(令和2)年3月まで、産業港湾部に勤務していた係長職の40歳代男性で、市の関係団体の小樽港貿易振興協議会事務局で会計事務に従事していたが、本年4月異動のため3月末に、後任との事務引継ぎの際、2018(平成30)年度及び2019(平成31)年度において、理由不明の預金の払い戻し・不明支出などがあり、不正な会計処理が発覚。その後の調査で私的流用を認めた。

 上司の管理職が印鑑を管理し、施錠しているロッカーの金庫に通帳を保管する決まりになっていたが、すべて同職員任せになっていたことで、施錠していない引き出しから無断で届出印を取り出し、払い戻しを行っていた。

 関係資料を自宅に持ち出し、2018(平成30)年分の会計資料一式(支出伺いや領収書など)を紛失。本人の記憶も曖昧で一部確認できていないが、今後、可能な限り調査する。現時点で分かったものは、2018(平成30)年度で出金・入金各1件、2019(平成31)年度で出金41件・入金4件の45件に及び、現時点での使途不明金は約87万円。

 調査後の確定額について弁済する旨の誓約書が提出されているが、弁済状況をみて被害届の提出についても判断するとした。

 同協議会は、小樽港の利用促進と産業港湾の振興に寄与し、経済の発展を図る目的で、2001(平成13)年に設立。市長が会長を務め、53団体及び企業で構成されている。官民が協力して、ポートセールスなど航路貨物誘致促進事業・小樽港を紹介する広報宣伝事業を行っている。運営は、市と関係団体からの会費300万~500万の間で事務を行っている。

 管理監督責任を問うこととし、当時産業港湾部に在籍した生活環境部50歳代の男性管理職1名を減給10分の1で3ヶ月の懲戒処分とした。

 また、市長と副市長は給料10分の1を1ヶ月減給する条例案を、第2回定例会に提案する。

 再発防止策として、通帳及び金融機関届出印の適切な保管を徹底し、毎月の通帳残高と帳簿等の収支残高をつき合わせて調べ、点検確認等を行い、職員に対する公金等の取り扱いについて研修を実施し、現金等の適正な管理を行うとした。

 市では、2018(平成30)年に住居・通勤手当不正受給の看護師を懲戒免職にしている。

 ◎関連記事