小樽美術館特別展「北海道に渡った九谷焼」

 2018(平成30)年に、日本遺産ストーリー「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間-北前船寄港地・船主集落-」に、小樽が追加認定され、市立小樽美術館(色内1)2階企画展示室では、10月24日(土)~12月27日(日)に、特別展「北前船の華 北海道に渡った九谷焼(小樽・後志編)」を開催する。

 

 御用窯として九谷焼発祥の地で、小樽に倉庫を造り強い繋がりがあった、北前船主たちの多くが居住した石川県加賀市から、九谷焼が渡って来た可能性を探り、2018(平成30)年~2019(令和元)年にかけ、石川県九谷焼美術館が調査したところ、幕末から明治期の優美な食器類などが、小樽を含む後志で多く見つかった。

 

 本展では、その調査を元に、寿都・岩内・泊・積丹・余市・小樽で見つかった約130点を一堂に集めて紹介。所蔵の施設以外での公開は初めてとなる。

 

 北前型弁財船模型や海岸地方の独特の文化、北前船主たちが小樽に創設した倉庫で実際に使用した船箪笥 (タンス)などの道具も合わせて展示している。

 

 九谷焼の品々は、寿都(個人)、寿都町教育委員会、岩内町郷土館、鰊御殿とまり、積丹運上屋旅館、旧余市福原漁場、よいち水産博物館、旧下ヨイチ運上家、円吉山別墅、もったいない博物館、本間家、株式会社オール・ケア・アシスト、我楽古多博物館の所蔵で、器名は九谷焼美術館学芸員が調べた。

 

 円吉山別墅所蔵の「梅氷裂図六角火入」と「鳳凰図八角深鉢」は、共に吉田屋窯のもので、古九谷の青手を再現した「青九谷」と評判となり、高い名声を受けたと言われる。

 

 大漁を祝う大宴会の席で使用したお膳を再現し、鰊漁の親方たちの使用感があるものや、虎花尽くし図正対画大御神酒徳利(余市町教育委員会蔵)、獅子透かし彫り花唐草図大香炉(寿都個人蔵)など、鮮やかな色彩と優美な絵模様や物語を題材にしたものなど、魅力的な品々が並んでいる。

 

 星田七恵学芸員は、「倉庫の建物は、観光業の資源になっている場所。それに伴う美術作品も伝わり、縁があったことを今まで気づかなかったが、今回、北前船が日本遺産に認定されたことで、学芸員同士の交流も始まり、ようやく調査結果として実を結んだ。

 

 もっと早く気がついていると、江戸幕末の焼物もあったのかもしれない。北海道にはないと思い込んでいた部分があり、意外なところで発見されたことに驚きが大きく、それを無にしないためにも、ぜひ観ていただきたい」と、来館を呼びかけた。

 

 北前船の華 北海道に渡った九谷焼(小樽・後志編)

 10月24日(土)~12月27日(日)9:30~17:00

 小樽美術館(色内1) 11/23を除く月曜日・11/4(水)・24(火)・25(水)休館

 入館料:一般800円、高校生・市内70歳以上400円、中学生以下無料

 

 関連事業

 九谷焼の故郷〜加賀の北前船主たちが活躍した小樽・後志

 11月21日(土)14:00~15:30 先着20名・聴講無料

 講師:小樽商科大学グローカル戦略推進センター・高野宏康学術研究員

 事前予約:0134-34-0035

 

 12月2日(水)には、よいち水産博物館の浅野敏昭館長が講師となる関連事業も予定されている。

 

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