150年の歴史・旧魁陽亭の研究成果を冊子に!

 北海道の料亭を代表する旧魁陽亭について、建物所有者と小樽商科大学との共同研究の成果として、旧魁陽亭の150年に渡る歴史と遺産を紹介する、冊子「旧魁陽亭-北海道を代表する老舗料亭-」を1,000部(A4・P77)発行し、部数限定で無料配布が始まった。

 

 旧魁陽亭の創業は、安政初期(1855~1860)と伝えられ、現在地は、1896(明治29)年4月27日の火災で焼失後、再建された場所。開陽亭〜海陽亭と変更して営業を続け、国内外の政財界・文化人が訪れた。

 

 2015(平成27)年閉店。2018(平成30)年には、小樽市の日本遺産「北前船」の構成文化財に認定されるなど注目されている。

 

 同大学は、2018(平成30)年度からオーナーとの共同研究をスタートさせ、亭内に残る資料を調査・整理し、歴史的実態を解明する作業を行った。創業当時から閉店までの歴史的実態を明らかにし、魁陽亭-開陽亭-海陽亭を時代ごとに解説。カラー写真と解説で分かりやすく紹介。

 

 冊子には、同建物を象徴する大広間について写真とともに紹介。120畳もの広さがあり、当時の写真からも分かるように、1906(明治39)年の樺太境界画定委員会議後の宴会に使用され、様々な宴の会場となっていたという。

 

 同建築や同会議については、新出資料に基づく研究論文を収録。

 

 また、150年もの歴史の中で、多数の遺産も残されていて、訪問者の注目を集めた医師で政治家の後藤新平、元内閣総理大臣の佐藤栄作、俳優の三船敏郎や菅原文太など、政財界や文化人による巨大な扁額や掛け軸・色紙などを、カラー写真と解説で紹介している。

 

 その研究に携わった1人、同大グローカル戦略推進センター研究支援部門地域経済研究部の高野宏康学術研究員は、「建物内部の資料を調査し、歴史についてはっきりと確認できた。この建物は小樽の歴史にとっても大事なもの。ぜひ保存活用してもらいたい。冊子は今後の基本資料として使ってもらいたい」と話した。

 

 旧魁陽亭-北海道を代表する老舗料亭-

 冊子本体1,000部、ダイジェスト版(日本語・英語)各1,500部発行

 配置場所:市立小樽図書館(花園5)・UNGA↑(色内2)、各100部ずつ配布。

 

 ◎旧魁陽亭共同研究公式サイト(外部)

 ◎冊子デジタル版(外部)

 ◎日本語ダイジェスト版(外部)

 ◎英語ダイジェスト版(外部)