区域外での救助想定 朝里川温泉スキー場で合同訓練

 1月10日(日)に発生した朝里川温泉スキー場(朝里川温泉1)の管理区域外でのスキー事故の検証を行い、同様の事故に備えて、小樽市消防署機動隊と朝里川温泉スキー場パトロール隊による合同訓練を、3月10日(水)9:30から同スキー場ブルーコースで実施。(写真提供:小樽市消防署)

 

 消防署機動隊員16名・スキー場パトロール隊員7名・両機関23名の隊員が参加し、有事の際の活動手順を確認した。

 

 スキー場施設内に現場指揮所を設営し、要救助者の座標情報をもとに位置の特定、その場所までの進入ルートを協議し、リフト・雪上車等を利用して移動。

 

 進入可能場所まで移動後、スノーシューを着装して活動拠点とする場所まで移動、活動方針を指示後、救出活動に移行。

 

 活動拠点では携帯用GPSを活用して、要救助者の位置を隊員間で情報共有し、コース外の急傾斜地へ進入、救出活動を実施。

 

 要救助者を発見して容態を確認し、負傷部位(左足)を保護して収容(パッケージング)後、コース上の立木に支点を取り、救出用ロープを設定してカウンターという手法でコース上へ引き上げた。

 

 パトロール隊が所有するスノーモビルの搬送器具に、引き上げた要救助者を収容し、山麓の現場指揮所へ搬送して訓練を終了。

 

 訓練関係者は、「近年増加傾向にあるバックカントリー等の事故を踏まえ、コース外急傾斜地からの救出活動手順を確認し、スキー場パトロール隊との連携強化を図れたことの意義は非常に大きい。

 

 特に消防機関だけでは進入に時間を要する移動手段を、スキー場協力の下、所有の施設等を活用することで、要救助者の発見時間を大幅に短縮できたことは、救命率の向上に大きく寄与することだと実感した。

 

 今後もスキー場パトロール隊と合同訓練を通して連携強化を図り、有事の際には、迅速に対応できるよう各隊員の技術向上とともに組織力をさらに強化していく」とした。