峯山冨美没後10年企画展開幕 小樽運河プラザ

 

 

 小樽運河保存運動の母・峯山冨美氏が亡くなり10年が経ち、8月3日(火)から、小樽市観光物産プラザ(色内2)3番庫ギャラリーで、峯山冨美没後10年企画展が開幕。17:15から展示会場で、小樽運河新世紀フォーラム、同企画展実行委員会メンバーらが集まり、オープニングセレモニーを行った。

 

 峯山氏は、1914(大正3)年虻田郡真狩村に生まれ、庁立小樽高等女学校補修師範課卒業し、三菱商事に入社。1934(昭和9)年峯山巌と結婚し、北手宮小学校勤務。

 

 1973(昭和48)年から小樽運河を守る会に参加し、1978(昭和53)年から会長を務め、1984(昭和59)年会長辞任。2008(平成20)年日本建築学会文化賞受賞、2010(平成22)年12月28日に死去。

 

 中一夫実行委員長は、「何よりも天国から峯山さんがあの満面の笑顔で、小樽の町は運河と共に栄え、運河と共にこれから歩んでいくのです。皆さんの町を愛する気持ちが小樽の町の最大の財産なのよ。ご苦労さん、本当にありがとう」と語っていると思うと挨拶した。

 

 迫俊哉市長は、「今日、この小樽が、全国有数の観光都市のひとつになっていることは、峯山冨美さんをはじめとする、多くの方々の小樽運河保存運動の活動によるもの。

 

 これからのまちづくりについて、市長として、とても大きな決断をし実行力が問われ、峯山さんならどう取り組むかと思いを馳せている。経済界と市と市民がひとつになって、これからのまちづくりをしっかりと進めなければならない」と述べた。

 

 約90点のパネルでは、以下の事柄を説明している。
 (1)9歳で初めて小樽運河を見て運河と関わり、運河保存運動に携わった経緯
 (2)運河問題にフォーカスし、歴史や行政の動き
 (3)運河保存運動から生まれたまちづくりについて、現在あるまちづくり10団体へのアンケート調査
 (4)企画展を通して、あなたに何を残したか、どう伝わったかを考えるコーナー
 (5)全国の先進的町並み保存について紹介

 

 このほか保存運動の活動記録として、新聞記事や出版物・写真・広報物・絵葉書を展示し、NHKとUHBで放送された保存運動の活動記録のDVDを放映した。

 

 峯山氏の言葉「自分のまちを愛しなさい」、「まちに誇りをもって生きなさい」、「自分のできる活動をしなさい」という言葉や活動を通じて、運動を後世に伝え、小樽の未来のまちづくりを考える場となるよう開催している。

 

 オープニング企画の西村幸夫氏による「峯山冨美さんと小樽運河保存運動」の講演会と、西村氏が選定委員長を務める全国町並み保存連盟主催の峯山冨美賞授賞式は中止となったが、3年後に、同連盟の全国大会(総会)を、小樽で開催する予定。

 

 峯山冨美没後10年企画展〜小樽運河保存運動の母が遺したモノ、本当に伝えたかったコト〜
 8月3日(火)〜22日(日)11:00〜17:00 入場無料
 小樽市観光物産プラザ三番庫ギャラリー

 

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