ごみステーション設置セレモニー おたる水族館

 

 

 日本財団「海と日本プロジェクト」が推進するCHANGE FOR THE BLUE in 北海道実行委員会では、海にこれ以上ごみを出さない意識を高めるため実施したごみステーション・コンペティションで、最優秀賞作品のアイディアを実現化したごみステーションが完成。9月2日(木)11:20から、おたる水族館(祝津3・伊勢伸哉館長)で設置セレモニーが行われた。

 

 同実行委員会では、2019(令和元)年から「海を表現しよう」というテーマを独立させて着手し、増加し続ける海洋ごみ対策を目的に、2020(令和2)年に、ごみステーション・コンペティションを開催。思わずごみを捨てたくなるごみステーション(北海道独自の表現)のアイディアを募っていた。

 

 全道各地から小学3年生〜70歳代の41件の応募が集まり、その中から、「ごみをきちんと捨てる事によりキレイな海の維持につながる」というメッセージを可視化できる点を高く評価した、札幌市在住20代女性会社員の作品「pic up traSEA(ピックアップトラッシー)」が最優秀賞に選ばれた。

 

 縦170cm×横180cm×奥行60cmのごみステーションは、同水族館入口すぐの売店前に設置され、燃えるごみ、カン・ビン、プラスチック、ペットボトルに分別するごみ箱が4つあり、ごみを捨てるとセンサーが反応し、60インチのモニター画面に汚れた海が徐々に綺麗になり、魚が泳ぐ姿や「海を綺麗にしてくれてありがとう」など、画像とメッセージを含む約100パターンが流れ、子どもにも親しみやすくなっている。

 

 ごみ箱は1ヶ所70ℓほどでいっぱいとなり、4ヶ所がいっぱいとなると、画面に鯨が登場して綺麗になった海を表現する。

 

 本日から9月23日(木・祝)までの設置で、その間、ごみ箱の管理は同館スタッフが行う。

 

 セレモニーでは、主催者を代表して日本財団海野光行常務理事が、「ごみをしっかりと捨てることにより、海が綺麗になるところが大変分かりやすく表現されている。世界にひとつだけのpic up traSEA(ピックアップトラッシー)となる。

 

 今回のキーワード“海のごみの発生”は、陸や街から流出が8割だと分かっている。私たちが普通に生活している中からごみが溢れている。今回のごみステーションを通じて、海洋ごみの問題を理解し、海のごみは川から、川のごみは街から、街のごみは私たちのところ出ている。

 

 なるべく沢山の人に使ってもらい、行動に繋がるきっかけになってもらうことで、このごみステーションの機能が最大限に発揮できると思う」と期待した。

 

 伊勢館長は、「ごみをごみ箱に捨てることができないことが大問題。ポイ捨てにより陸も海も汚れ、地球上の多くの生きものが暮らし辛くなっている。自然環境や地球、そこで暮らす多くの生きものたちが、これからも生きていけるように、ごみをごみ箱に捨てる当たり前のことを改めて実行しなけらばならないと感じている。

 

 殺風景な目的だけを達成するごみ箱ではなく、楽しさがあるごみ箱を設置し、ごみをごみ箱に捨てることが当たり前に思ってもらえれば」と述べた。

 

 同館キャラクターのペン太くんも登場し、ごみ入れ式を行った。ごみを入れると音がなり、画面に光る魚が泳ぎ、綺麗になった海には鯨が登場。続いて、来館者にもごみ入れ体験をしてもらい、和やかな雰囲気に包まれた。

 

 9月20日(月)から、アイディアが街と海を変える第2回ごみステーションコンペティションの開催を決定。10月29日(金)まで応募を受け付ける。最優秀賞には、賞金10万円とアイディアに基づいたごみステーションが製作される。

 

 ◎日本財団海と日本プロジェクト(外部)

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