天狗山で冬季山岳救助訓練 小樽市消防署機動隊

 小樽市消防本部(花園2)では、近年増加傾向にある山岳救助事案を踏まえ、同市消防署機動隊と小樽天狗山スキー場パトロール隊による合同訓練を、小樽天狗山スキー場(最上2)の管理区域外で、3月2日(水)・3日(木)の両日9:30から実施した。(写真提供:小樽市消防署)

 

 各日、消防署機動隊員15名・スキー場パトロール隊員4名・両機関総計38名が参加し、有事の際の活動手順を確認した。

 

 スキー場施設内に現場指揮本部を設営し、携帯用GPSと地図を用いた読図により、要救助者の位置情報と地形情報を共有し、進入ルートや活動プランを協議。スノーシューを着装して捜索活動を実施。

 

 要救助者を発見して容態を確認。担架に収容(パッケージング)後、救出用ロープを設定して倍力システムという手法で安全な斜面まで引き揚げた。

 

 パトロール隊が所有する搬送器具に要救助者を収容し、通報から約2時間で麓まで搬送して訓練を終了。

 

 訓練関係者は、「近年の登山ブームは夏季に限らず、冬季はバックカントリースキーやスノーハイク人口が増加傾向にあり、事故事例も比例していることを踏まえ、管理区域外の救助活動の手順を確認し、スキー場パトロール隊との連携強化を図れたことの意義は非常に大きい」と訓練を振り返った。

 

 また、「特に消防機関だけでは時間を要する移動手段を、スキー場協力のもと、リフト・雪上車等を活用することで、要救助者への接触時間を大幅に短縮でき、救命率の向上に大きく寄与すると実感した」と有意義な訓練であったことや、「今後もスキー場パトロール隊と合同訓練を実施し、更なる連携強化を図り、有事の際には、迅速に対応できるよう救助技術の向上と組織力の強化に努める」と士気を高めた。