小樽なえぼ公園 新名所“カタクリの群生地”満開

 桜の名所のひとつに数えられる長橋なえぼ公園(幸1)では、キクザキイチゲやエゾエンゴサクなどの春の植物“スプリングエフェメラル”が一気に開花し、4月24日は日曜日とあって、朝から散策を楽しむ人々が行き交った。

 

 2018(平成30)年4月から着任した山本健也指導員は、同園内にカタクリの群生地を発見。3年かけて雑草を刈るなど、郡生地が見られるように整備してきた。今年は、新名所と言えるほど花が敷き詰められ、ここ数日で満開となり、まさに見頃を迎えた。

 

 水芭蕉の湿地から右方向へ進み、自然探勝路入口からさらに進み、第1カタクリの群生地に到着すると、あたり一面紫色に包まれた。

 

 山本指導員の日々の努力で、昨年よりも、より多くのカタクリを見ることができ、散策に訪れた人々の目を楽しませている。

 

 カタクリは、種から発芽し1枚の葉で年月を過ごし、7〜8年かけてやっと花が見られる貴重な花。

 

 山本指導員は、「今年は3,000株の花が見られ充分綺麗だが、これからもっと自然に増え1万株に達する勢いがある。全道一のカタクリの群生地になり、散策路の両側に群生地が広がる予定で、小樽の新名所を、ぜひ楽しみにしてもらいたい」と話した。

 

 第2カタクリの群生地へ通じる散策路脇に、チシマザサ(別名:根曲がり竹)の花が咲き、同公園をこよなく愛している大湯崇夫さんが案内してくれた。

 

 笹の花は60年に一度咲くと言われ、人生に一度しか見られない珍しい花で、一生に一度の花を咲かせた後に枯れてしまう。

 

 花を咲かせる理由は種を残すためだが、様々な言い伝えがある神秘的な植物でもあり、同公園は、様々な植物に出会える貴重な場所と言える。

 

 今後、エゾヤマザクラやソメイヨシノなど約3,000本の桜が咲き、感染対策に留意しながら花見に出かけ、珍しい植物やかわいい小動物を観察して楽しむこともできる。

 

 ◎「小樽写真散歩」by akemi iwata《なえぼ公園の春便り》