金融資料館特別展“渋沢栄一にまつわるお金のはなし” 2/21まで開催

 2024(令和6)年上期(4月〜9月)を目途に、新しい日本銀行券が発行され、1万円券は40年ぶりに肖像が変わり渋沢栄一となることに関連し、日本銀行旧小樽支店金融資料館(色内1)では、11月11日(金)〜2023(令和5)2月21日(火)に、3年ぶりとなる特別展「渋沢栄一にまつわるお金のはなしー新しいお札の肖像」を開催している。

 

 渋沢栄一は、一橋家・大蔵省に仕官し、第一国立銀行の頭取を務め、お金の発行に携わていた。

 

 本特別展では、同氏が発行に関わった幕末から第一国立銀行までのそれぞれの紙幣20点と、同銀行などの風景が描かれた錦絵4点を(紙幣・錦絵どちらもレプリカ)と、1868(慶長5)年、渡米していた栄一29歳の時、大政奉還の知らせにより帰国し、静岡藩で仕官を命じられ、栄一が活用策を講じた明治政府最初の紙幣を紹介。

 

 栄一が実現させた初の圓単位の政府紙幣(大蔵省兌換証券1871年)や、紙幣統一を目指して発行された1872(明治4)年の政府新紙幣、旧金銀貨回収のために、新しい全国統一貨幣を作るために発行された古金銀預証券(1872年)なども展示。

 

 その後、制度を設計し紙幣発行までの道のりを主導した栄一は、銀行紙幣の図柄の選定にも関与し、日本初の近代的銀行となる第一国立銀行の設立を主導し、頭取となって経営を担うことになり、銀行のネットワーク化を図る。

 

 当時の同銀行の風景と辰野金吾設計のヴェネツィアン・ゴシック様式の栄一邸が描かれた錦絵も展示紹介されている。

 

 国立銀行など民間銀行は、北海道の開拓に積極的に関わり、小樽や札幌にも道内外の銀行が支店を置き、地域経済を支えたという。

 

 新しいお札には新しい偽造防止技術が施され、額面数字の大型化と指で触って券種の識別をしやすくしたマーク、独特な手触りの3つの特徴に注目。

 

 関係者は、この特別展を通じて新しい紙幣を知るきっかけになればと期待を寄せている。

 

 特別展「渋沢栄一にまつわるお金のはなしー新しいお札の肖像—」

 日本銀行旧小樽支店金融資料館(色内1)特別展示室 入場無料

 11月11日(金)〜2023(令和5)年2月21日(火)

 11/23以外の水曜日・年末年始(12/28〜1/5)休館

 4月〜11月9:30〜17:00・12月〜3月10:00〜17:00(入館16:30)

 

 ◎日本銀行旧小樽支店金融資料館webサイト(外部)

 ◎2023特別展ポスター(PDF)

 ◎お金の話あれこれ(3)お札に登場した人物・動物(外部)