財務局しりべし経済レポート 10月〜12月期の管内経済状況発表

 北海道財務局小樽出張所(港町5・加藤則明所長)は、2022(令和4)年10月〜12月におけるしりべし経済レポートvol.106 について、2月27日(月)13:30から記者発表を行った。

 

 管内経済は、感染症の影響が一部に見られるものの待ち直しているとし、前回(令和4年7月〜9月期)の総括判断の緩やかに持ち直しているの「緩やかに」を外し、上方修正した。

 

 先行きとしては、インバウンドなどの回復など明るい兆しが見えてきて、観光客の増加に伴い、景気が持ち直すことが期待される。

 

 6項目の判断の中の個人消費は、売上は確保され8期ぶりに上方修正し、主要産業の観光においても、持ち直しの動きが続いていることから判断した。

 

 前々回の2022(令和4)年4月〜6月期は、「感染症の影響が一部に見られるものの、緩やかに持ち直しつつある」と総括判断していた。

 

 緩やかに持ち直しつつある個人消費・主要小売店売上高動向は、価格上昇やインバウンド回復の影響により10月からプラスに転じ、売上高は前年を上回り、今期から売上にインバウンドが寄与するようになってきたとの声が聞かれた。

 

 新車登録・届出台数に関しては、引き続き、半導体等の不足を主要因とした納期時期の遅れが継続しているが、登録は前年比プラス20.9%と上回り、その要因として、前年からの反動増によるものと考えられる。

 

 観光は、感染症の影響が見られるものの、持ち直しつつあると判断を据え置いた。10月〜12月は、行動制限がない中、全国旅行支援事業等により、国内客の動きが活発であったほか、海外客の増加により前年を上回った。

 

 全国旅行支援事業により観光客数が伸び、行動制限がないため、修学旅行生が多く訪れていた。入国規制の緩和によりインバウンドが戻ったとの声が多くあった。

 

 住宅建設は、持ち直しのテンポが緩やかになっていると下方修正。小樽市の新設住宅着工戸数は、10月〜12月期で前年比−28.7%と下回り、地域によりばらつきがあり、前年の数字が良かったことへの反動もあり得る。

 

 ヒヤリングでは、光熱費や物価上昇による経済の冷え込みが要因と考えられるのでは?との声や、物価上昇により着工戸数が落ち込む、他の地域では住宅需要は堅調との声もあった。

 

 公共工事は、年度累計では前年を下回ると据え置いた。公共工事前払金保証請負金額を見るとプラス22.2%と前年を上回り、年度累計ではマイナス1.8%と前年を下回った。

 

 ヒヤリングでは、資材価格や電気料金の上昇を懸念する声が聞かれた。

 

 生産は持ち直しつつあると判断を据え置いている。生コン出荷状況は、大型施設工事の減少などから官需・民需とも前年を下回った。

 

 水産加工は、おみやげ需要の回復・秋サケの漁獲が好調となり、堅調となっている。金属・機械は、金属加工部品生産受注が増加、生産体制の見直しもあり堅調。プラスチック・ゴムは、人手不足等により工場の稼働率が低下した。

 

 雇用は緩やかに持ち直していると判断を据え置いている。有効求人倍率は1.52倍で、前年と比較して0.32ポイント上昇。新規求人数も、10月から12月の合計でプラス12.6ポイントと前年を上回った。

 

 インバウンドの回復により、観光業の人手不足、宿泊・飲食サービス業や清掃業が含まれるサービス業の求人数が伸びたと報告した。

 

 また、ニセコエリア(倶知安町・蘭越町・ニセコ町)における観光DX推進実証事業についても説明した。

 

 ◎財務省北海道財務局Vol.106しりべし経済レポート(令和5年2月発行)(外部)

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