小樽住ノ江聖堂で前田隆護作品展

 アート工房開拓舎を主宰する造形作家・前田隆護さんの作品展が、7月1日(火)小樽旧住ノ江カトリック教会住ノ江聖堂(住ノ江2)で始まった。

 7月に喜寿77歳となる節目に、これまで書き溜めてきた小樽・札幌の歴史的建造物の細密画と風景画やイラスト、過去に制作した陶器や縄文太鼓や縄文土器などの縄文関連の作品、フロッタージュ作品、感性が光る俳句など、多方面に取り組んできた成果を発表している。

 

 40年ほど前から描いている細密画は、歴史的建造物70点を展示し、展示しきれない30点はファイルに綴じ、作品を通じて歴史的建造物の美しさを改めて感じさせる。

 

 小樽千秋高校建築科を卒業し市内建設会社に勤務。沢山の建物に関わってきたことから、建物を見ると建築現場で働く人々の会話が聞こえてくるという。

 

 何度も建物に足を運んで水彩画用紙に何枚も描き、細さの違うボールペン6種類を使ってフリーハンドで線を描き、一部水彩絵具で色彩することで、由緒ある歴史的建造物の重厚感と温もりを感じさせる。ひと月以上費やした作品もあるそうだ。

 

 前田さんお気に入りは、最近再公開した旧日本郵船小樽支店やオタモイの龍宮閣など、建物の細部まで実物同様に描いた今年完成させた作品。

 

 このほか、今はなき運河の石畳に紙をあててペンでこすったフロッタージュ作品や、年間60句は詠んでいるという俳句。小樽縄文人の会長も務め、縄文土器や陶芸にも興味があり、土から形を作り野焼きも体験させたりと子どもたちへの指導も楽しく、自身の作品も制作し会場に展示している。

 

 前田さんは、「細密画の苦労するところは時間のかかるところ。子どもたちにも、この機会にぜひ見てもらいたい。将来的には細密画をまとめて画集を出したい」と話していた。

 

 前田隆護作品展77 7月1日(火)~6日(日)10:30~17:00

 小樽旧住ノ江カトリック教会住ノ江聖堂(住ノ江2) 入場無料

 

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