それぞれに創意工夫 小樽で第31回臥龍社書展

 個々の創意工夫の作品が並ぶ臥龍社書展が、7月9日(水)から13日(日)まで、市立小樽美術館(色内1)1階多目的ギャラリーで開催されている。

 

 臥龍社は書道家・宇野静山氏が1940(昭和15)年に創設。同氏が、1948(昭和23)年に“ふるさとは小樽”と公言し、小樽市を拠点に全道書道展を立ち上げ、1964(昭和39)年から隔年で臥龍社書展の開催を続け、今年で31回目を迎えた。

 宇野静山氏の「月山山」と宇野渓雪氏の「鶴」の特別展示2点と、静山氏に師事した小樽在住の書道家・北川稲谷氏の筆と墨で遊ぶという意味の「翰墨游戯(かんぼくゆうぎ)」をはじめ、小樽市・筑波市・東京都・旭川市・滝川市などから26名が1点ずつ出展。会場には書に興味のある人々が続々と訪れ、足を止めて見入っていた。

 

 初日から臥龍社代表で静山氏の次男・宇野雉洞氏と三女の吹田由紀子氏も在廊し、質問に対応していた。

 雉洞氏は、特別展示の「月山山」について、「縦書きで墨の色も独特で彩墨を使った。がつがつしない気持ちを出し、筆ではしっかりと書こうといった思いが込められている」とし、渓雪氏の「鶴」については「薄い墨を使い、思い切った書き方をしている」と述べた。

 

 自身の作品は、碁を楽しむの意味の「樂碁韻」を発表し、「会員がそれぞれに工夫した作品で、個性的で1人ずつ違う。ぜひこの機会にご覧ください」と来場を呼びかけている。

 吹田氏は、「お手本なしで自分で考えて書いた作品ばかり。この字が好きでも、書いて生きるかどうか、活字を崩して草書にすると思うようにいかないことも沢山あり、題材を決めるまでも大変なこと」と苦労を語った。

 

 臥龍社書展 7月9日(水)~13日(日)10:00~17:00(最終日16:00)

 市立小樽美術館(色内1)1階多目的ギャラリー 入場無料

 

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