10月11日(土)13:30から、市立小樽美術館(色内1)1階中村善策ホール内で、写真家の高木陽春氏のギャラリートークとギタリスト・竹形貴之氏のコンサートが開催され、写真とクラシックギターで癒やされる午後のひと時となった。

7月19日(土)から善策氏の風景画と高木氏が小樽を撮影した写真を展示する「みちノヒカリ」が開催中で、現在まで3,955名が来場する好評の企画展となり、最終日10月12日(日)を締めくくるギャラリートークが開かれた。
大阪生まれの同氏は少年時代を淀川で自然に触れて育ち、大学生の頃、暗室で赤色の液の中から次々と写真が浮かび上がるのを見て感動。写真を始めるきっかけとなる。
卒業後は、カメラマンの弟子になるも長続きせず、違う仕事に就いたりしたが、写真を撮りたい気持ちが強く、岡田久仁子氏や、年齢的にもぎりぎりの29歳の頃、立木義浩氏に師事し8年間アシスタントを務めその後独立。

雑誌制作している内野さんから小樽に滞在して写真を撮ってと頼まれ、2023(令和5)年の夏に小樽を訪れ、さらに冬も見たくなって翌2024(令和6)年1月に初めて雪景色を歩いた。
同館で特別展炭鉄港開催時に上映された「小樽聖」の中の写真が、高木氏が撮影したものだった。
企画展が始まってからは7月から10月まで毎月のように小樽を訪れている。善策氏の絵を見て素晴らしいと思い、絵画の場所に行き「ここで描いたのか」とイメージし、感慨深かったという。
星田学芸員は、「善策さんは同じ場所で繰り返し描き続け、高木さんも同じ場所で撮影し続けるところが共通点だ」と話し、来年1月中旬から同ホールで、善策氏の絵画作品と高木氏の写真を展示する予定だという。

同館では3回目となるクラシックギタリストの竹形貴之氏のコンサートが開かれ、曲目の説明やテクニックの解説を挟みながら演奏に入ると、聴衆はうっとり聴き入ってしまった。
同氏は千歳市出身で、日本大学芸術学部音楽学科を経て渡独し、ドイツのケルン国立音楽大学を卒業。名古屋ギターコンクールで優勝するなど数々の賞を受賞。積極的な演奏活動の他、後進の育成にも力を入れている。
1曲目に選曲することが多いという「11月のある日」や2曲目のクラシックギターの名曲「アルハンブラの思い出」、3曲目は映画音楽の「ひまわり」、4曲目も映画「禁じられた遊び」で使われた「愛のロマンス」を演奏。

最終曲「森に夢見る」を演奏、竹形氏は、「風景写真のストーリーは、見る人が思い描くものがそれぞれに違い、十人十通りの景色があると思う。音楽もそれに近い」と話した。
来場した女性は、「素敵な空間で癒された。高木さんのトークも飾らない言葉で素敵だった」と満足していた。
◎関連記事