夏日の第80回招魂祭 小樽顕誠会から実行委へ

 5月15日(木)11:00から小樽公園(花園5)顕誠塔前広場で、2025(令和7)年第80回招魂祭が行われ、関係者や来賓・合祀者遺族ら約70名が集まった。

 

 小樽で一番早い祭りで雨が降るとの言い伝えもあった招魂祭も、近年は晴れることも多く、11:27には27.6℃の今シーズン初の夏日を観測。

 

 ハンカチで汗を拭いたり、うちわで扇ぐ参拝者の姿も見られたが、2023(令和5)年に大規模改修工事を終えた建立100年超の顕誠塔に通じる沿道には、植樹された遅咲きのカンザン(桜)が満開となり、参拝者を和ませた。

 

 80回目を節目に今年度から、財源確保・顕誠塔を含めた施設維持管理・会報の発行などを担当していた小樽顕誠会(堀口雅行会長)から、顕誠塔合祀者の推薦団体を母体とする招魂祭実行委員会(中野豊会長)に運営が引き継がれることとなった。

 

 小樽住吉神社・星野昭雄宮司他3名の権禰宜により神事が行われ、伶人会の演奏が響く中、参拝者が玉串奉奠を行い、公益社団法人日本詩吟学院小樽支部岳船会5名が奉納吟「小樽功労者の魂に捧ぐ」を披露した。

 

 迫俊哉市長は、「少子高齢化や人口減少が進む中、今から歩べき道もまた険しく困難なものであるが、私たちはここに決意を新たにし、あなたがたが築かれた偉大な歴史と伝統を踏まえ、郷土小樽の輝かしい未来を築くため、知恵を出し合い努力を重ねて参る所存」と慰霊のことばを述べた。

 

 中野会長は「登頂の金鵄に輝きを取り戻した顕誠塔の歴史や成り立ちなどを広く市民に認知いただき、招魂祭は、合祀者推薦団体を母体とする実行委員会が運営することとなった。桜咲きほこる顕誠塔の前で挙行される招魂祭、小樽市の発展に各界で尽力いただいた合祀者の遺蹟を偲ぶ機会として、多くの市民に参拝していただく招魂祭となるよう努力したい」と挨拶した。

 

 昨年亡くなられた10名が新たに合祀され、既合祀者4,731名と合わせると4,741名となった。

 

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