新病院建設で市長は強行策!チェック出来ぬ市議会!


 任期も残すところわずか4ヶ月ばかりとなった山田勝麿小樽市長は、2期8年間の公約として果たせなかった新病院の統合新築をめぐり、開会中の12月市議会で慌しい動きを見せている。
 新病院の建設をめぐり、当初基本構想で263億円としていた事業費(解体・移転費用込)を、2004(平成16)年10月の精査・検討では194億円へと縮小し、さらに、2006(平成18)年12月の「新病院の規模・機能の変更について」では156億円へと、当初に比べると114億円もの縮小変更案を12月市議会直前に提示した。
 小樽市広報では、「新市立病院基本構想」が2003年8月号で、「新市立病院基本構想の精査・検討」が2005年4月号で、「急がれる新病院建設」が2006年6月号で、「新病院の建設地について」が2006年11月号で、市民に知らされた。しかし、12月1日に「市立病院調査特別委員会資料」として、急きょ出された「新病院の規模・機能の変更について」は、まだ市民には何も知らせていない。
 すなわち、市の新病院の事業費が当初の263億円から156億円になり、病床数も493床から468床へ、医師数が78人から54人、診療科21科から17科へと、重大な変更が行われているのに、市議会には開会直前に知らせ、市民にはまだ知らせていない。
 度重なる規模・機能の縮小変更が、突如なされることでは、9月市議会第3回定例会でも同じであった。与党の公明党からも「精査検討中の概算的な状況の中で、具体的に確定されていないものが、突然、理事者側から出されたということは、今後の審議に大きな影響を与えるものであり、信頼を損なうものと言わざる負えないわけであります」と指摘されていたことの再現となった。
 今回の156億円の変更案でも具体的な中身や費用等が確定しておらず、市民にも何も知らせないまま、基本設計委託料の8,505万円だけが可決されていく。市長の強引な手法をなんらチェック出来ないとしたら、市議会の存在意義は無くなったにも等しいことになる。
 44億円の累積赤字を抱え、赤字隠しの上、毎年、一般会計から14億円もの繰り出しを続けて、存在し続ける病院会計の市税たれ流し体質は容易には改めることは出来ない。市議会での徹底した審議が望まれていたが、市議会は、市長の言いなりで、平成会の1議員と共産党を除いてはイエスと言うしかない状況に立ち至っている。
 8年間での最大公約の病院統合・新築が出来なかったものが、残り任期わずか4ヶ月で基本設計委託料が認められるということは、市民にとっては不幸なこととなろう。新谷市政での旧マイカルの失敗、山田市政での新病院の先行き不透明で、築港地区は2代にわたる役人出身市長の失政の象徴と成りかねない。またマイカルの悪夢が築港でよみがえるのだろうか。
 この基本設計委託料などを最終的に可決する本会議は、22日(金)13:00から開会される。市議会議員の動向に市民の注目が集まることになる。

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