開館以来初の大幅展示替え!小樽市博物館

 小樽市博物館(色内2)は、小樽運河沿いに移転後初めての大幅な展示替えを行い、4月1日(日)にリニューアルオープンした。
 同館は、市内に現存する木骨石造倉庫群の代表格とされる旧小樽倉庫の一部を再利用して、1989(平成元年)に開館した。小樽の発展や北前船についての資料を展示した第一展示室(1989年~)と世界の昆虫などの資料を展示した第二展示室(1990年~)から成っていた。
 同館は、今年7月にオープンする小樽市総合博物館に統合されるため、「小樽市博物館運河館」として分館の機能を担うことになる。このため、2月19日から臨時休館し、小樽の歴史と自然に特化した常設展示にリニューアルした。
 第一展示室では、歴史関係の資料を大幅に入れ替えた。北前船・倉庫・鰊・運河を新たなテーマとしている。北前船では、「どのくらい大きなものだったか感じてもらいたい」と、帆の一部(長さ8m)を天井から吊るしている。これは、実際の帆の30分の2に過ぎず、その大きさが体で感じとれるものとなっている。
 倉庫では、同館が使用する木骨石造倉庫について説明。倉庫保管料定額表も展示され、縄・石油・白玉粉・酒などの料金が記載されており、小樽で多くの物品が行き来していたことが分かる。運河については、最盛期と末期の写真が飾られている。末期の写真では、運河にゴミが散乱しており、当時、この様子を取り上げた新聞記事もある。「運河の今昔を写真で見てもらい、運河沿いに博物館があるという立地を活かし、現在観光として使われている運河を目で確認してもらうことが出来る」としている。
 第二展示室では、「小樽に特化した自然の展示で、小樽の自然環境の良さを知ってもらいたい」と、小樽に特化した昆虫の標本約1,000種以上と、海や海岸にある珍しい植物を新たに展示。市内小学生との昆虫調査の成果も展示した。赤や緑のシールによって生息環境や絶滅危惧種など一目で分かる。もっと詳しく知りたい人は、標本につけられた番号ですぐに質問が出来る。
 美唄から家族で来ていた竹内浩二さん(45)は、「小樽のことが分かりやすく展示されていて、さらに興味が強まりました。旧交通記念館が総合博物館になるというので、ふたつがリンクしてもっと良いものになれば面白い」と話していた。
 開館時間:09:30~17:30。入館料:一般300円・高校生と市内在住の高齢者(70歳以上)150円・中学生以下無料。問合せ:0134-33-2439 小樽市博物館。