市役所今年最後の仕事!新病院基本設計解約料支払い


 小樽市役所(山田勝麿市長)の2007(平成19)年の最後の仕事は、市長自ら3月に発注し、11月に業務を中断解約した新市立病院の基本設計料の一部2,581万円を“小切手で”支払うことだった。
 4月の市長選挙で3選を果たした山田市長の高々と掲げた最重要選挙公約は、156億円をかけ築港地区に豪華新市立病院を建設することだった。このため、市長は、選挙前には財政の見通しのつかぬまま大慌てで、新病院建設の基本設計の業務委託を5,985万円で、久米設計札幌支社に発注した。以後、がむしゃらに豪華病院の建設に邁進してきた。
 しかし、新病院建設の財源として、当てにしていた国の起債による新病院の用地購入の許可が取れぬため、11月には一転して、基本設計の委託業務を中断解約するというミットモナイ異常事態を招いていた。
 市長選挙をまたぐこともあり、基本設計の契約書では、市が途中で解約したとしても、それまで行った作業料は、出来高払いとしていた。このため、市の理由での契約解除に伴い、中断までの業務を43%分の2,581万48円と算定し、久米設計札幌支社に通知し支払うことにしていた。
 12月18日(火)の市立病院調査特別委員会では、一部議員から、この金額の算定根拠の曖昧さを指摘され、市は納税者市民や報道機関を締め出した「秘密会」で、同社の業務実績報告書をこそこそ示すという、姑息な手段を取っていた。
 あやふやな算定根拠での支払いについては、12月市議会本会議の代表質問でも取り上げられた。
 「今後も起債の見込みが立たずに、病院計画が頓挫した場合、起債許可の見込みが無いのに基本設計を実施したという責任問題が発生する。ただでさえ厳しい財政の中でこの判断ミスはあまりに重い。この判断に関わった市長を始めとする市の幹部職員、そしてその採決を行った議員にも、この費用の返還をする必要がでてくるのではないでしょうか?そうでなければ、ただの税金の無駄遣いであり、市民にとっても納得がいかないのではと思います。私自身は4月から付託を受けたため、この病院設計に関わる採決に関わる事ができませんでした。しかし、そうであっても、議員という責任の下から、自らの歳費から返還する覚悟でおります」と、今後の責任問題を、市議会で一番若い商大院生の成田祐樹市議が追及していた。
 それにもかかわらず、小樽を「日本一の貧乏都市」(山田市長の発言)にした市長は、12月14日に、赤字の一般会計から15億円のボーナスを支払い、今度は、今年最後の仕事として、12月28日(金)市役所仕事納めの日の朝に、あやふやな算定根拠のまま、新市立病院基本設計料の一部2,581万円を解約料として、一般会計から小切手で支払い、市役所正面玄関の2,007年の扉を閉じた。
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