小樽商工会議所(色内1・鎌田力会頭)は、稲穂1の国道5号線沿いにある「日専連ビル」を2億円で購入して移転することを、3月27日(金)の通常議員総会の議決後に決定することにしている。
同商工会議所は、1895(明治28)年、小樽市港町30番地の旧小樽共商会で業務を開始。以降、火災などで10回の移転を繰り返し、1933(昭和8)年に、現在の建物を竣工した。
建物は、3階建・鉄筋コンクリート造の延べ1,370平米で、外装は石川県産千歳石で彫刻が施され、正面玄関には土佐産の大理石が用いられている。昭和初期の貴重な建造物として、市の指定歴史的建造物となっている。
建物の老朽化が進んだことを受け、1988(昭和63)年に、小樽経済センター建設推進特別委員会を設置し、議員による建設資金の積立を開始した。この後、新築だけでなく既存建物の利用も視野にいれて検討を進めてきた。
昨年8月に株式会社ニッセンレンオタルと合併した株式会社ニッセンレンライフ(札幌市・岩井滉社長)が、「日専連ビル」を小樽経済センターとして取得してはどうかと同商工会議所に打診してきた。ニッセンライフが掲示する売却額約3億円の打診に対して、同所の購入希望価格は2億円だったため、価格が高すぎるとしていた。
今年2月27日になって、ニッセンレンライフは、急遽、売却額を同所が希望する2億円に下げて提案してきた。これを受けて、同所は、小樽経済センター建設推進特別委や総務委員会などを開き議論を行い、3月11日の常議員会で「日専連ビル」を購入し、移転する方針を決めた。27日(金)の通常議員総会で議決を得て、正式に決定することにしている。
中松義治専務理事は、「当初は価格が折り合わなかったが、2月27日に1億円以上下げて2億円でいいと提案され、3月中に契約を済ませたいと言われている。4月1日にエスコートカードと合併する前にけりをつけたいのだと思う。ただ、交渉を続けてきたニッセンレンライフの岩井社長が一昨日に突然亡くなってしまったので、細かい打ち合わせをどうするか頭を悩ませている。27日の議員総会での議決を得てからにはなるが、内部の改装やビルの管理をどうするかも全然話をしていない。現在の建物に入居している青年会議所や市商連などのテナントにもまだ話をしていない」としている。
購入する「日専連ビル」は、地上7階・地下1階の鉄骨造り延べ約4,380平米で、現在の約3倍の広さがある。購入価格2億円と移転に必要な引越・改修・税金などで6,700万円が必要となる。経済センター建設のために積み立てた1億1,700万円と銀行融資1億5,000万円を、この費用に充てることを検討している。
また、現在の建物については、「建物の老朽化で年250万円の修繕費がかかるが、小樽の歴史的街並みに相応しい建物なので、このまま利用して頂ける方に購入してもらえるとありがたい」と話している。売却額は未定。