「MOA小樽センター」新築工事 田上義也設計の旧上田邸跡


moa1.jpg 小樽公園の白樺林(ロータリーの杜)に隣接する「坂牛邸」に並んで建っていた「旧上田邸」(入船5)が、今年4月に解体され、現在、MOA小樽センター(仮称)の新築工事が進められている。
 「旧上田邸」は、小樽新聞社の上田重良社長の邸宅として、北海道を代表する建築家・田上義也が設計し、1928(昭和3)年に建てられた。木造2階建・約370平米。同氏設計の「坂牛邸」と横並びに建ち、「田上先生が設計した建物が2つ並んで良い雰囲気があった」(建築関係者)。
 1979(昭和54)年頃から、MOA(宗教法人 世界救世教)が所有し、内部を改装して自然食品販売などを行っていた。築後、80年以上が経ち、建物の老朽化が進み、今年4月に解体され、現在、小樽センターの新築工事が進められている。「坂牛邸の所有者や保存団体にも相談し、地域や坂牛邸に光が入るように配慮して設計した」(MOA北海道本部)。
moa2.jpg 坂牛邸のこれからのあり方を考えるNPO小樽ワークスは、「田上先生が設計した建物が無くなるのは残念だが、内部も外装もかなり改修されていたので、関係者の方々とも話し合って絶対残さないということでもないということになった。壊す前に内部を見せてもらって、何点か要望も聞いていただいた」としている。
 MOA小樽センターは、2階建・約300平米。ガラス張りのモダンな建物へと変わる。設計・施工は竹中工務店。完成は10月頃を予定している。同団体は、完成後、自然食品の料理教室などを開くことにしている。茶室も設けて地域に広く開放することも検討している。
 小樽に残る田上ハウス③ 旧上田邸
 MOA小樽センター(旧上田邸)
 小樽市の田上義也
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